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Archive for 3月 2007

思い出の消滅

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真駒内スキー場廃業」週末、新聞を開くと寂しい記事が目に飛び込んできた。
 
札幌に住んでいた頃、ほぼ毎週このスキー場に通っていた。幼稚園が終わると、とにかく出かけるのが好きな母に連れられて、そして週末になると山が大好きな父ととにかく僕をいじめるのが大好きだった兄に連れられて。僕がスキーを覚えた場所といってもいい。
 
頂上までリフトで上って、一気にふもとまで滑る。ダイナミックコースという幼稚園児にはなかなか難しいコースを滑り降りると、カップラーメンの自動販売機があった。初めてダイナミックコースを滑り終えた時、父がカレーヌードルを買ってくれたのをよく覚えている。氷点下の屋外で滑り終えたばかりのペコペコのお腹にアツアツのカレーヌードルを流し込むと、かじかんだ手足にじわーっと体温が戻っていくのが実感できた。四角いジャガイモと肉がまたうまかった。
 
そういえば、記事を見て最初に浮かんできたのがカレーヌードルの味だった。僕の場合、記憶は食べ物と密接にしまわれていることが多い気がする。
 
自分の記憶と直接つながっているものが地図から、そして社会から消えていくのは悲しいことだ。日本の人口が減っていく中で、人が集まらないところではこれからこんな話が次々と出てくるのだろう。今回西武が廃業を決めた施設も、そのほとんどがいわゆる「地方」にある施設だった。草津やこの前訪れた城崎のように、明確なビジョンとそれを伝えて実行に移すことのできるリーダーがいないと難しいのかもしれない。
 
中部地方に来てはや八ヶ月。いつまでいられるかわからないが、ここにいる間は何かこの地域に還元できる仕事をしていきたい。改めてそう思った。
 
———-以下、asahi.comより引用————

西武、12リゾート廃業 スキー場など譲渡先見つからず

2007年03月23日22時29分

 経営再建中の西武ホールディングス(HD)は23日、子会社のプリンスホテルなどが年度内に売却を目指してきたリゾート施設40カ所のうち津別スキー場(北海道津別町)など12カ所を廃業すると発表した。買い手がつかなかった。一方、新たに3カ所の売却がまとまり、発表済みの25カ所を含めると、40施設すべての処分が決まった。

 3カ所のうち津軽高原ゴルフ場(青森県平川市、簿価5億7600万円)は米シティグループの子会社、シティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパン(本社・東京)に2億5000万円で売却する。阿蘇プリンスホテルと同ホテルゴルフ場(熊本県阿蘇市、簿価56億3900万円)は日本の企業に売却。ただ、売却先と金額は「相手の都合で言えない」(西武HD)としている。廃業をのぞく一連の売却で西武HDには11億円の損失が生じた。

 廃業が決まったほかの施設は次の通り。

 ▽深川スキー場(北海道深川市)▽札幌北広島プリンスファミリースキー場(同北広島市)▽真駒内スキー場(札幌市)▽森吉スキー場、森吉ヒュッテ(秋田県北秋田市)▽千畑スキー場(同美郷町)▽小千谷山本山スキー場(新潟県小千谷市)▽三国スキー場(同湯沢町)▽燕温泉スキー場(同妙高市)▽妙高温泉室内プール(同)▽日光菖蒲ケ浜スキー場(栃木県日光市)▽湯田中渋温泉ごりん高原スキー場(長野県山ノ内町)

Written by shunsuke

2007年3月28日 at 12:42 AM

ひまわりラヂオ

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学部の先輩でもあるcyncopationで活躍するつねさんが新しいグループひまわりラヂオで名古屋へやってきた。学部つながりの5人で今池のparadise cafe 21へ聴きにいく。

ピアノ、太鼓、そしてボーカルのシンプルな構成で、ボストンで活動しているのにもかかわらず曲はほとんど日本語。三人ともなんて楽しそうに演奏しているんだろう。これが第一印象だった。一曲一曲、言葉のひとつひとつを丁寧に、そして大事につくっている。それはきっとライブという場で伝えるために一日一日、一つひとつのステージを大切にしているからなのだろう。そんなメンバーの気持ちがストレートに伝わってくるステージだった。

強烈にガツンとくるインパクトのある音楽ではない。だけどボーカルのサヤカさんの発するひとつひとつの歌詞、つねさんのピアノ、としおさんの太鼓によって奏でられる旋律に包み込まれていくような安心感がある。例えるなら三ツ星のフレンチレストランではなく、大学の近くの通いなれた定食屋さんのあたたかさと安心感。気づいた時にはジーンと心震わされていた。

最近仕事で行き詰まりを感じていたが、今日ひまわりラヂオの音楽を聞いて何かがふっと楽になった気がした。そう、解き放たれた気分。「心が震える音楽をつくるためにミュージシャンとして生きている」そんなつねさんの言葉通り、今日の音楽は僕の心の琴線にふれる音楽だった。家に着いた今もまだ興奮は収まらない。

デビューアルバム「オリオン座と初恋」ほっと一息つきたい方におすすめです。

Written by shunsuke

2007年3月23日 at 12:11 AM

カテゴリー: 音楽

休日の午後

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春分の日、最近日がどんどん長くなっていくのをはっきりと感じている。一日一日、昼間の時間が長くなる。これほどシンプルに春の訪れを感じさせるものはない。太陽が生命の象徴であり、闇を照らす電気がなかった昔はなおさらだっただろう。

そんな春を感じる午後、自転車に乗って勝川にあるパン屋櫻蔵(さくら)へ出かける。最近お気に入りのパン屋、車がなくなって自転車で15分ほどかかるのだけど、ちょっと出かけるにはちょうどいい距離だ。生豆から焙煎してくれるコーヒー屋も去年見つけたし、だんだん日ごろの食が充実してきた。

僕は小さい頃からパンが好きだった。朝は決まって焼きたてのパンにコーヒー。社会人になってキッチンのない寮暮らし、北海道にいた三ヶ月はおいしいパン屋が見つからずにしまりのない朝を送っていた。人が多いところに住む利点は、この選択肢の多さだろう。

パンとしては、かためのパンが好き。夜は夜でチーズと一緒に食べるのも大好きだ。そういえば、去年の今頃アエロフロートの機内食で出てきたロシアの黒パンはおいしかった。

今日はモンブランデニッシュとベーグルを購入。いつもはあまり気が乗らない休日後の朝も、パンとお気に入りの豆ブラジルブルボンで違う朝になりそうだ。

Written by shunsuke

2007年3月21日 at 10:20 PM

カテゴリー:

城崎にて

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少し前のこと、兵庫の城崎温泉へ行った。

中学・高校時代、谷崎潤一郎から始まり白樺派の作家を読み漁っていた僕にとっては、「城崎にて」の舞台となった憧れの場所。

作者の志賀直哉は30過ぎまでぷらぷらしていて、結局生涯通じて一本の長編しか書かなかった。本人は自分が求める完全なる文章になるまで推敲し、なかなか作品が完成しなかったと述べているが、はたして彼の感性が鋭すぎたのかただの怠け者だったのか。生き方がなんか自分に似ている彼の作品が大好きだった。

城崎は小さな町だった。駅を降りると、もうそこはカニ、カニ、カニ。もちろん僕にとっての目的は小説の舞台の街を歩くことだったが、同行者はカニ目当て。福井でとれたカニは越前ガニというが、兵庫に入ると津居山ガニというらしい。

夕方、街の共同浴場をめぐる。城崎では街の温泉組合が7つの共同浴場を管理していて、各旅館ごとに下駄、ゆかたを貸し出して泊り客には共同浴場の無料入浴券を配っている。これはうまいシステムだ。各旅館は自分たちが大きな内湯を持つ必要がないし、何より観光客が街を歩く仕組みをつくることによって、飲食店や土産屋街全体にお金が落ちる。そして、観光客も無料でゆかたとゲタをレンタルしてくれるから、浴衣姿で川沿いの柳がしだれる道を歩きながら風情に浸ることができる。

夜は川沿いの小さな宿いちだやに泊まりカニ三昧の料理をいただく。カニ刺、焼きガニ、カニしゃぶ。そして締めはカニ雑炊。7歳の時に腐りかけのエビを食べて以来、これまで僕は甲殻類が苦手なほうで「うまい!」って思うことはあまりなかった。二、三年前に流れていた一番搾りのCMでカニしゃぶを食べながら「うまい!」とビールを飲むのがあったが、その気持ちがようやくわかった気がする。冬の山陰のカニは別物。今までこんなうまいものを食べていなかったと思うと残念でしかたない。

湯あがりに川沿いの道にあったフレッシュジュース屋さんで、きんきんに冷えたマンゴージュースを一杯。顔を上げるとライトブルーの空がだんだん濃い群青色に染まっていく。ほほには川沿いの道には海からの風が心地よくそよぐ。うーん、これぞ温泉街。

率直な話、温泉の泉質は循環させておりとりたててすごいというほどではない。だけど、有馬温泉などを抑えてこの街が人気なのは(じゃらん温泉ランキング近畿一位)、雰囲気作りに成功しているからだと思う。きっとビジョンを語れるリーダーがいたんだろうな。またゆっくり来たくなる、そんな温泉だった。

Written by shunsuke

2007年3月18日 at 1:21 PM

カテゴリー: 旅行

上野ヘブン

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週末、前から気になっていたオルセー美術館展へ行く。

上野公園口へ出て、東京都美術館への道を歩く。数日前までの汗ばむような陽気が嘘のように、セーターの上にコートを着ても風が冷たい。そんな寒空の中、一人の人に目を奪われた。

体感アーティスト立松和宏さん、東京都が認定しているヘブン・アーティストだという。この寒い中楽しそうな輪の中に寄って見ると、45キロの自作楽器類をすべて自転車に載せてオーストラリア、北欧各国を自転車旅行して、今は毎日東京都内を走り回っているとか。カッコよすぎる。

立ち止まって聞いてみると、演奏がすごい。両足の先とかかとで四つの音とリズムを刻みながら右手と左手で異なるリズムを奏でていく。しかも聴衆の笑いを誘いながら。2曲聴いてCD購入。結局オルセーよりもこっちがメインになってしまった。

これまで色々な国へ行ったけど、どこの国にも旋律が奏でられ、人々の笑顔とともに音楽があった。僕もギターを持って旅をしていたが、僕のヘタクソなギターでもいつも行く先々で多くの笑顔に出会うことが出来た。自転車にこの楽器たちを詰め込んだこの人の旅は、さぞかし痛快な旅だっただろう。まさに、ヘブン。

Written by shunsuke

2007年3月14日 at 2:18 AM

カテゴリー: エンターテイメント

アル・ゴアの真実

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前回に続いて環境系のトピック。

温暖化問題を扱った「不都合な真実」でアカデミー賞もとっちゃったアル・ゴアだが、実は自宅での電力使用量は毎月16万円分だとか。アメリカで16万円ということは、日本では40万円くらいになるのかな。

たしかに一度享受した生活水準を落としたり、生活の質を転換させることは難しい。でも、「地球は危ない!」と世界中で情報流しておいて、これは説得力がない。

そもそも、「不都合な真実」はわかりやすく行き過ぎた消費社会に警鐘を鳴らしてくれているのだが、その根拠がいささか科学的に危ういのが多い。地球の将来を危惧してくれるのはうれしいが、その推測の根底が科学的見地に基づいていないのであればそれは宗教と同じだ。それでも地球の危うさを広めただけでも十分な功績なのかもしれない。

まあ、偽善的なモノをつくる人間は偽善者に過ぎないということか。どうせ偽善的にやるんだったら、内容も自分自身も徹底的にバレない偽善で覆えばよかったのに。残念。

以下、産経WEB3/2の記事より引用

地球温暖化防止への取り組みを訴えるドキュメンタリー映画「不都合な真実」でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したアル・ゴア元米副大統領に対し、地元の保守系シンクタンクが「自宅では大量の電気やガスを消費している」と地元電力会社から得たデータをホームページで公開、言行の一致しない「偽善者」と批判している。

 このシンクタンクは「テネシー政策研究センター」。同州ナッシュビルにあるゴア氏の邸宅では、昨年1年間で約22万1000キロワット時の電力が使われ、毎月の電気代は平均1359ドル(約16万円)に上ると暴露した。

 これは米国の1世帯あたりの年平均電力消費量1万700キロワット時の20倍にあたる数字で、同センターのドリュー・ジョンソンズ代表は「邸宅には温水プールがあり、敷地内の車道に沿ってガス灯が設置されている。人に説いているような資源節約を家ではしていない」と指摘した。(ニューヨーク 長戸雅子)

Written by shunsuke

2007年3月5日 at 2:10 AM

暖かい冬と氷河

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朝起きて窓を開けると、ふわっという風が入ってきた。まるで桜が咲く頃に吹くような春の風、色がついているとしたら、きっとピンク色だろう。もうすっかり春だ。

昨日も暖かい一日だった。今年の冬、12月-2月の平均気温は全国153観測地点のうち約半分の75地点で観測史上最高気温だったという。名古屋でも雪が降ったのは年始の一回だけだった。東京ではまだ降ってもいない。

そういえば、今日3/3付の朝日新聞に「温暖化によって氷河の氷解が加速し海面が上昇する恐れがある」との説明で海に崩れ落ちる氷河の写真が掲載されていた。うーん、気温が上昇して氷河の氷解が加速するのはわかるんだけど、氷河ってもともと上昇してなくてもどんどん海に崩れていっているんじゃない?ちょっと誤解を招くような気がした。

たしかに近年暖かくはなってきていると思う。それは主観的にもそう思うし、平均気温の推移を見てもそう判断できる。ただ、自然の事象を科学的根拠なく人為的な温暖化に結びつける、もしくはそうミスリーディングするような表現も多い気がする。伝えるって難しい。

Written by shunsuke

2007年3月3日 at 1:40 PM