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DAY7: 感謝の気持ち

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4泊したフンザを後にする日がやってきた。前日に買っておいたカシュガル行きのバスの時刻は9時。そのつもりでカリマバードからアーリアバードへと移動すると、目の前を新彊ナンバーをつけたバスが通過する。あれっ?と思いながらバスターミナルへ行くと「バスはもう行っちまったよ、8時って言ったじゃないか」の一言。おいおい、チケットに9時と書いてあるぞ。いつになくスムーズに来ていた旅だけど、やっぱり肝心のところで大波乱が起きた。つくづく詰めが甘い。

さて、どうしたものか。以前だったらここでチケットに9時って書いてあるじゃないか!と主張していたところだが、あいにく僕には時間がない。窓口のおっちゃんも話がわかる男で、チケットを返金してやるからタクシーで国境のスストまで行け、そうすればバスはつかまると力説する。一日一本のバスを逃してしまうと日曜日に帰国できなくなってしまう僕には選択肢はなく、2800ルピーも払ったチケットを返金してもらい横で話を聞いていたおっちゃんを捕まえてスストへ急ぐ。

フンザからスストまでの道のりはおよそ100キロ。フンザ川の峡谷沿いにへばりつくように切り開いたくねくねの山道を自称フンザナンバーワンのタクシーは80キロくらいの猛スピードで飛ばしていく。もちろんタイヤはつるつる、ガードレールはない。確かに運転はうまいんだけど、ちょっと滑ったら谷底行きだ。

そんな僕の心境なんて知らずに彼はやたらと話かけてくる。ウルドゥー語で「パキスタンの音楽聴きたいだろ?」みたいなことを言いながら、よそ見して後部座席に落ちていたパキスタンの国民的歌手のカセットテープを探したりしてくれる。日本で例えると北島三郎かな。フレンドリーなのはうれしいけど、今の僕に必要なのはパキスタンのサブちゃんより自分の命なんだよ、お願いだから運転に集中してくれ。

一時間ほど冷や汗をかいた後、グルミットを過ぎたあたりで早くも目の前に新彊ナンバーのバスが見えてきた。さすがはフンザナンバーワン、予想よりも早くにバスを捉まえ乗り換えることに成功する。タクシーを降りて1500ルピーの言い値を渡そうとすると、スストまで行ってないからと500ルピーを返してきた。これは感謝の気持ちだ、そう言って渡そうとするが受け取らない。

違う土地から来た者として感謝の気持ちをどう表すのか。これって難しいことだ。客という立場から感謝を表現するにはもちろんチップという形は効果的なのかもしれないけど、それは時に客以外の立場で接することを拒否することになる。僕はパキスタンに来て以来、知らず知らずのうちに単なる客としてでしか土地の人と接していなかったのかもしれない。きっとそれは僕が社会人になったことも影響しているのだと思う。気持ちは金じゃない、そんな単純なことを忘れていた自分が恥ずかしかった。フンザであまり写真を撮る気になれなかったのも、もしかしたら僕のその態度のせいなのだろう。

いち旅人として彼と彼の運転に感謝のハグをして、僕は国境越えのバスに乗り込んだ。残り二日余り、よそいきの客としてではなくて、いち旅人として人々と接していこう。

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Written by shunsuke

2007年8月10日 @ 7:16 AM

カテゴリー: 2007/07 Hunza

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