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映画「花と兵隊」試写会@京橋

with 2 comments

旅の途中でちょっと気になる人と出会うと、たいてい連絡先を交換するもんだ。8割がた2,3回ほどメールのやりとりをしてそれっきりになってしまうのだけど、中にはそれ以降節目節目で影響を与えあったり、人生のヒントをもらったりする仲になる友人がいる。8年前、バンコクで出会った松林要樹もその一人だった。
 
 
「第一回監督作品ができた」そんな彼から連絡があったは5月のこと。映像関係の仕事をして日本とアジアを飛び回っているとは風の噂に聞いていたものの、ドキュメンタリー映画をつくりあげたとの知らせはびっくりだった。7月公開だったので赴任前に見るため、6月15日に会社を早めに抜け出し京橋の映画美学校へ試写会に行ってきた。
 
映画は東南アジアで第二次大戦の終戦を迎え、戦後も日本へ戻らなかった未帰還兵を追った作品。戦争を題材にした映画と言っても、生々しい場面が続くというわけではなく、もちろん娯楽でもない。タイに暮らす6人の元日本兵の独白が淡々と続くいたってシンプルなドキュメンタリーだ。
 
おこがましさを承知で言わせてもらうと、作品の完成度は高くないと思う。ストーリー、録音、聞き取り、そして質問の掘り下げ。手探りの中彼が作り出してきたということが伝わってくるし、彼自身作品にはほとんど満足していないと思う。ただ、この映画の最大の価値は戦後60年以上、世の中に取り上げられることがほとんどなかった未帰還兵の言葉を30歳の若造が記録として残したことだ。
 
戦後60年、未帰還兵も皆80歳を過ぎ、映画の制作中にも主人公6人のうち2人が亡くなっている。松林要樹は時間との戦いに挑み、あと5年もすれば消えてしまっていただろう歴史の生き証人の遺言を残したのだ。歴史の記録としてそれだけで素晴らしいことだと思う。あとはそれを見た人たちが未帰還兵の遺言をどうとらえるか。
 
「タイってごはんおいしいし、海もきれいだし、いいよね~」なーんて言いながら気軽にタイを訪れている僕らの傍らで、10代、20代で国のために命を捧げビルマで地獄を見た人たちがひっそりと暮らしているなんて、彼の話を聞くまではまったく知らなかった。
 
ある人は日本人として日系企業に勤め、ある人は戦友たちの骨を集めて慰霊塔を建て、ある人はビルマのカレン族とともに現在も難民キャンプに住む。日本人であるからには、よくも悪くも日本の歴史からは逃れられない(と僕は思ってる)。だからこそ戦争を知らない僕らの世代が、彼らの言葉を受け継いでおかなければならないんだろう。
 
試写会後、彼の姿を見つけしばし話し込む。彼とは旅の途中のバンコク以来、8年ぶりの再会。お互い大して顔も覚えていなかったはずなのに、顔を会わせたとたん蒸し暑い夜に語り合った時間がフラッシュバックする。お互い年をとったなあ。いや、成長したというべきか。
 
彼は映像作品を作り上げることに自分の道を見つけ、僕は二転三転しながらようやく企業の中で自らの場所を見つけた。共有している感情があるからこそ感慨深かった。そういえば僕の高校時代の将来の夢は映画監督だったなあ。自分の名前でモノを作り上げることができるってすごい。
 
映画「花と兵隊」7月よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー。興味のある方、ぜひ足を運んでみてください。
 
   
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Written by shunsuke

2009年6月21日 @ 6:20 PM

カテゴリー: エンターテイメント

コメント / トラックバック2件

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  1. おもしろそうですね。みにいきます!!

    Kensuke

    2009年6月21日 at 9:17 PM

  2. なかなか上映会場は少ないと思うけど、ぜひ時間見つけて見にいってみて。きっと感じるものがあると思うよ。

    Shunsuke

    2009年6月21日 at 10:08 PM


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