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DAY11: チュニジアンブルーの街、シディ・ブ・サイド

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青い街シディ・ブ・サイド(Sidi Bou Said)を見てみたい。僕がチュニジアに行きたいと思ったきっかけの一つが、友人Sさんの撮ったこの青い街シディ・ブ・サイドの写真だった。
 
 
チュニジアに来たからにこのチュニジアンブルーを見ておかないと。ということでチュニジア滞在最後のこの日、ツクバの友Nちゃん、Cちゃんとカルタゴとシディ・ブ・サイドに出かけることに。7時に起きた時は雨でちょっと気分が萎えたのに、待ち合わせた8時半にはこの晴天!雨男なのによくやった!緑の電車に黄色いタクシー、そして赤いパラソル。信号機のできあがり。これもこの青空だから映えるんだよね。
 
 
チュニスの目抜きどおりハビブ・ブルキバ通り(またこの名前か)はフランス植民地時代の香りがぷんぷん漂ってくるオシャレなとおり。高級そうな服屋さんや銀行が並び、道端ではオープンカフェで話に花を咲かす。道行く女性もほとんどスカーフしていないのはちょっとびっくりだった。
 
 
このままチュニス・マリン駅まで15分ほど歩いて、郊外列車TGMに乗る。最初に目指すはカルタゴ。江ノ電のようなスピードでトコトコ30分ほど走るとカルタージュ・ハンニバル駅に到着。おお!ハンニバルですよ、ハンニバル。「ローマ人の物語」を5巻まで読み終わっていた僕はハンニバルの名前で即興奮。駅も青と白で統一されていてとてもきれい。
 
 
フェニキア人の都市だったカルタゴは第三次ポエニ戦争後、ローマ人によって徹底的に破壊されたため何も残っていない。ここに残っているのはその後ローマ人によって再建されたカルタゴの街の遺跡だ。まずは駅から10分ほど坂を登って街を見下ろすビュルサの丘(Acropole de Byrsa)に向かう。ここには第8回十字軍遠征に参加していて没したフランス国王ルイ9世に 捧げられているサン・ルイ教会(Cathedrale St. Louis)があり、入ってみるともともとモスクらしき建物をそのまま教会にしたようで面白い。
 
 
それにしてもいくら植民地時代はフランス領だったとはいえ、イスラム勢力からキリスト教の聖地を奪うための十字軍で命を落とした人が今はイスラムの土地となったところに祀られているのも何か不思議な気がする。彼は天国(地獄か?)で何を思うのだろうか?
 
そのあと、カルタゴの住居が残る場所に向かうと、こんな案内板が。お勧めルート、①景色を眺める、②遺跡を見て回る、③博物館に行く、④来た道を戻る。いやいやここには景色と遺跡と博物館しかないんですけど。そんなことをそのまま勧められても困る。案内版ならもう少し別のことを説明してくれるとうれしいのだけどな。
 
 
チュニジア名物、戦士の人形。どこにでも売られているのだけれどCちゃん曰く「カルタゴの戦士は遠くを見つめているね、なんか悲しそう」うん、言われてみればチュニスで売られていた戦士とちょっと表情が違う。彼はフェニキア人の末裔なのかもしれない。
 
 
ビュルサの丘をあとにして登ってきた坂道を今度は海に向かって下っていく。20分くらい歩くとアントニヌスの共同浴場(Thermes d’ Antonin)が見えてきた。ここは五賢帝の一人、アントニヌス・ピウスによって建てられた共同浴場で、当時は水風呂、サウナ、混浴風呂まであったらしい。青い空、そして地中海の海、ローマの遺跡。完璧だね。
 
 
この広大な景色にひたっていたらNちゃんが思わぬ一言。「当時のローマ人は裸で入っていたのかな?でも今ってそういう習慣ないよね?いつから隠すようになったんだろう?」確かにそうだ。あとからググってみたらどうやら裸で入浴していたらしい。それじゃ、いつから隠すようになったんだろう。一人で旅をしていると自分の知識でしか判断できず、自分の観点からしか疑問を持つことができない。誰かと一緒に旅をする最大の喜びは他人の知識と観点を共有できて違った角度からものごとを捉えるられることを知ることができること、そしてその喜びを共有できることだと思う。
 
この浴場は二階建てだったらしいけれど、今残っているのは一階部分のみで支えていた柱はほとんど残っていない。柱が残っていない…?あ!そうかケロアンのモスクとかに運ばれたのか!こういうところから運んだにせよ、大変だっただろうな。どのくらい大変だったんだろう?と試してみるけど、もちろん女子二人ではびくともせず。宗教の力はすごいぜ。
 
 
カルタゴを満喫した後はシディ・ブ・サイドに向かうため、また駅に戻る。するとおばちゃん三人組がなにやら僕らに興味津津。東洋人が珍しいらしく話しかけると大興奮。「あなたたち私の子どもたちみたいにかわいいわー」みたいなことを言っていたと勝手に解釈し、盛り上がっていると別れ間際にハグしてキスされた。アラブ圏で女性とハグしたの初めてかも。カルタゴは高級住宅地だから住んでいる人も西洋化しているのかな。
 
 
カルタージュ・ハンニバル駅から鉄道で10分ほど行くと、シディ・ブ・サイドの駅に到着。目抜き通りの坂道を登っていくと、いきなり視界が開けこんな景色が広がった。空の青、地中海の青、そしてチュニジアの青!もう完璧!神様、仏様、アッラーありがとう。
 

 
チュニジアで一番美しい街。その名にたがわず真っ白な壁と真っ青な青で街が統一されていてすごい。きれいきれいと聞いていたものの、しょせん単なる色の組み合わせじゃん。チュニジアに来る前は実はそう思っていたりもした。徹底した色の組み合わせとデザインを目にしたとき、ここまでココロ動かされるとは思っていなかった。参りました。
 
 
目抜き通りのハビブ・タムール通り沿いに昔の豪邸が博物館として開放されているので中に入ってみる。屋上に上ると街が一望できるよーと案内されさっそくのぼる。色だけじゃなくて細かいところのデザインまで美しい。
 
 
鉢植えまで青なのね。
 
 
道沿いの土産屋さんで売っていた皿に思わず見とれてしまう。この皿、帰りにパリにトランジットするため、迷って結局買わなかったのだけれど、あとで後悔。なんてきれいなんだろう。こんな皿でパスタ食べたら特別だろうな。
 
 
青に緑にオレンジ。心なしかオレンジもおいしそう。
 
 
「いいところだろ?チュニジアの誇りなんだよ」今も普通に人々が暮らすシディ・ブ・サイドの街。この街を維持していくのはここに住んでいる人たちの街への愛情もあるんだろう。
 
 
すっかりチュニジアンブルーに魅せられて満足した一行は再びTGMに乗ってチュニスに戻る。チュニスマリン駅から宿に戻る途中、女性二人組から「日本人の方ですか?」と声を掛けられNちゃんCちゃんたちと意気投合。一緒にメディナの夕暮れを見ることになった。
 
メディナの土産物やさんの中は1TDほど払うと屋上に上げてくれる店があって、その屋上からのパノラマを眺めるべく夕暮れ時のメディナを歩く。ようやく見つけて屋上に上がると、まさに日がまさに沈むタイミング。夕陽を浴びる旧市街の家々がきれいだ。
 
 
そのあとシーシャを吸い、三たびチュニジアの居酒屋、トントンヴィルに向かう。女性4人も連れて行ったら大変なことになっちゃうかも、と躊躇したけれど、なんとかなるかとドアを開けると、すでに日本人女性二人組がいてご一緒することに。え?6対1ですか?僕が住んでいる南寧に日本人女性は3人しかいないので、ここ7カ月ほど初対面の日本人女性と話す機会なんてなかった。だから初めて会うCちゃんだけで結構緊張したのに、このハーレムはなんですか?そしてなぜチュニスで?恐るべし日本女子。
 
 
で、こんなハーレム状態なものなのだから、周りのチュニジアオヤジたちからの視線が厳しいったらありゃしない。「コノヤロー、なんでお前だけ独り占めなんだ」言葉通じないのに、いや言葉すら発していないのに伝わってきますよ。逆だったら僕もそう思うし。ということで酒が入るとオジサマたちは大興奮。
 

 
この日は7人でワインを4本。そして、最後の一本は彼からプレゼント。途中でラブレターを渡しにくるオヤジがいたり、投げキッスしてくるオヤジがいたり、まあ貴重な経験ができた。
 

 
この状態にはイケメンバーテンダーの彼も少々あきれ気味。ちょっと苦笑い。
 
 
ぐるっとチュニジアを一周して砂漠の太陽も見られたし、最後にハーレムも満喫できて大満足のチュニジアでした。明日はパリでトランジットして帰国です。「最近出会いがないんだよなあ」そう嘆いているそこのアナタ、今はチュニスがおすすめですよ。

Written by shunsuke

2010年3月6日 @ 1:09 午前

カテゴリー: 2010/02 Tunisia

2件のフィードバック

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  1. あっ、このバーテン、私がかっこいいって言っていた人じゃない?いいな~、写真とったのね。私も一緒にとりたかった!それにしても女性6対1とは!!そんなに日本人女性がいるのもびっくり。私は結局一人もあわなかったなあ。チュニスもシディブサイドも、空が青くて違う町のようだわ。

    Wakako

    2010年3月6日 at 5:51 午前

  2. > Wakakoさんですね、あのバーテンですね。ちょうど2人組以上からのチュニス行きツアーが安かったみたいで、みんなそれでした。青と白の町並み、かわいい雑貨、チュニス近郊は女性受けしますよね。

    Shunsuke

    2010年3月7日 at 3:40 午前


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