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DAY12: ルーブルで言葉を失う

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朝9時発のフライトのため、6時のモーニングコールで目を覚ます。が、なにやらものすごく頭が痛い。二日連続でだいぶワインを飲んだもんだからかなりの二日酔い。それでも乗り過ごしたらシャレにならないので何とか空港にたどり着き二時間ほどでパリに到着。来たときも雪だったけれど、この日もどんよりとした曇り空。真っ青な空が広がっていたチュニスからくるとなおさら重苦しく感じる。
 
空港で12時間トランジットの時間をつくったので、シャルル・ド・ゴール空港のツーリストインフォメーションでパリの鉄道一日乗り放題の"Paris Visite"を買って目当てのルーブル美術館へ向かう。シャトレーの駅で地下鉄1号線に乗り換えルーブル博物館駅で降りると目の前がもうルーブルだった。
 

 
それにしても周りはアジア人の観光客ばっかりだ。とくに中国人の家族連れと日本人の卒業旅行が多い。旧正月だし、アジアからのチケットも安いからだろうな。でもとりあえず博物館のピラミッドまでやってきたものの、ガイドブックも何も持たない僕はどこが入り口かもわからずにうろたえる。すると、「ハイ、今からルーブル入るんでしょ?私たち今見てきたところだからチケットあげるわ」と、白人のカップルがチケットを二枚手渡してくれた。
 
一瞬戸惑う僕。つまり、彼らはもう見てきて必要ない、そしてチケットは一日の有効期限の間だったら何度でも出入りできるから僕に譲ってくれたってことか。1分くらいかけてそのことを理解したのだけれど、なんで彼らはこれだけ大勢いる観光客の中で一人でいる僕に二枚のチケットを手渡したんだろう?そんなに金持っていなさそうに見えたのか?9.5ユーロのチケットが惜しくて入るのをためらっているように見えたのかも。なんかすっきりしないけど、まあタダでもらったからいいか。
 
ルーブルの中は僕なんかが説明するまでもなく、ただただすごい。何がすごいって、ルーブル美術館中にあるものの8割以上が、今のフランス国外から運ばれてきたものだから。この歴史の中で支配者であったことがヨーロッパの持つ伝統と重みなんだろうなって思った。これは世界最古のアルファベット、フェニキア文字。今のレバノンで見つかったもの。
 
 
"目には目を、歯には歯を"のハムラビ法典。こちらは今のイラクからここに持ってこられた。
 
 
そして、ミロのヴィーナス。こちらは19世紀にオスマントルコ領で見つかったものをフランスが買い上げたもの。あの時代にこういう美術品の価値をはかることができる余裕があって、文化的財産を所有することの重要さを知っていたんだろうな。
 
少し前にサザビーズのオークションで中国人が円明園から持っていかれたものを落札して、お金を払わずに中国に持って帰ろうとした事件があったけど、金を払わなかった行動は別としてその気持ち少しわかった気がした。フランスをはじめとする国々がその価値をしっていたからこそ保存されて今に残っているということもあるかもしれないけれど、自国の著名な文化遺産がほかの国に行かないと見られないっていうことは、とても悲しいことだと思う。
 
 
サモトラケのニケ。広場のすべての光と視線集める存在感、今しがた羽をはばたかせて船のへさきに舞い降りたかのような躍動感、これが紀元前につくられたものなのですか。すごい。いや、彫刻に関していえば、人間がつくる芸術ってこの時点でもう完成されていたんじゃない?そんなふうに感じてしまうよ。これもギリシャで発掘されて、ばらばらだったものをルーブルの学芸員がここまで復元したとのこと。それってひとつひとつの破片から、この形をイメージできていたってことだよね。それもまたすごい。
 
 
ルーブル美術館の美しさはただ展示品の美しさだけじゃなくて、元宮殿だったルーブルの建物の建築美に加え、考えつくされた採光の中に計算された上に展示されているということ。ひとつひとつの美術品ももちろんすごいのだけれど、このルーブルの中にあって調和している空間を体験することができるのがすごい。このニケは「ダリュの階段踊り場」との踊り場に置かれているのだけれど、階段をのぼり180度曲がった瞬間、天井から光が差し込む踊り場に勝利の女神が立っている。その姿を目にした瞬間、あまりの神々しさに鳥肌が立って一分間くらい口を半開きにしたまま見とれていた。
 
 
もはや説明の必要もないモナリザ。でも小さすぎてニケのような直接魂に訴えかけるような力は感じなかった。いや、近くにも寄れないので目があまりよくない僕にはよく見えなかっただけです。残念。
 
 
ナポレオンの戴冠。ここでようやくフランスのものが登場。ナポレオンの横にジュリアス・シーザーがいるのが遊び心を感じる。
 
 
一番心に響いたのはサモトラケのニケだったけれど、絵画で目を奪われたのは「メデューズ号の筏」だった。実際の遭難事件をモチーフとして、そのリアリティを出すために実物大の筏をつくり、切断された腕などをデッサンするため死体置き場に通ったらしい。「俺はここにいるぞ!生きているんだぞ!」この縦およそ5m、横7mの絵の前に立っているとそんな叫び声が聞こえてきそうな気がする。本物ってすごい。
 
 
5時間ほどルーブルを満喫して再び空港に戻り、11時過ぎの飛行機で中国に戻る。ナポリ下町のうまいカフェと、人懐っこいナポリっ子、サハラに沈む夕日と砂と風の中に生きる人たち、そしてルーブルの歴史と芸術の美。初めてのヨーロッパ、初めてのアフリカ大陸と初物づくしだったけれど、今回も驚きと感動ばかりで自分の世界の狭さを思い知った旅だった。

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Written by shunsuke

2010年3月7日 @ 3:21 AM

カテゴリー: 2010/02 Tunisia

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