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四川大地震被災地訪問:汶川編

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「地震で山がひとつなくなったところもある。2年以上経った今でも何百人、何千人って人が土砂の中に埋まっているんだよ」6月に成都に行った際に会った友人からそんな話を聞いた。以前にも四川の涼山州で林業関連の仕事に従事していた彼は、今年の3月から2008年に起きた四川大地震の被害地での植生回復の仕事に携わっている。
 
今回、そんな彼の好意に甘えて先週末に地震から2年と2ヶ月経った現地、汶川と北川を訪れてきた。木曜の夜遅くに成都入りし、金曜の朝一番で出発してまずは震源地汶川に向かう。車の中で熟睡の同行者とこの夏大学を卒業したばかりの通訳スタッフ。
 
 
成都から都江堰を過ぎてしばらく行くと、急に盆地が終わって山が迫ってきた。そしてその山のトンネルをくぐった先にはダムが待ち構えていて、ここですでに地震の爪あとの土砂崩れ跡を見ることができた。この標高500mちょっとの四川盆地から1,300mほどの汶川までずっと山道が続く。いやいや、ここはもうチベット高原の入り口でもあるのでここからずっとチベットまで山が連なっているのだ。ちょうど中央高速を東京から山梨方面に進んでいって八王子インターを過ぎたあたりのようなかんじ。
 
 
ここから先は岷江(ミンジァン)の流れが作り出した谷に沿って道を進んでいく。両側に迫る山肌にはほとんど岩肌がむき出しのところが多く、雨季の今はいたるところでがけ崩れが起こっていた。もともと道も対岸を走っていて、以前の道はこの土砂の下に埋まったままだそうだ。
 
 
とても気になったのが、地震で崩れた家を見世物用にそのまま残していること。地震の教訓を忘れないためか、観光用としてなのかわからないけれど、このメンタリティは日本にはない。翌日に行った北川でも感じたけれど、この家で親しい人が亡くなったりした人にとっては複雑な気分なんじゃないかな。
 
 
もちろん橋も保存されている。こんなものをほうっておくわけがない。これは明らかに観光用だなあ。
 
 
成都から二時間半ほどで汶川の街に到着。これまでの道の途中とはうってかわって、ここには何も残されていない。本当に2年ちょっと前にここで町が壊滅するような地震があったの?と疑いたくなってしまうくらい。沿海地区の各省と直轄市がそれぞれの地区のGDPの1%を地震の被災地域に復興援助として資金を供出しているらしい。都江堰は上海市が、そしてここ汶川は広東省が資金を出して、2年ちょっとの間に廃墟がまったく新しい街に生まれ変わったというわけだ。
 
 
街の目抜きどおりもちょっとチベット風に整備されている。
 
 
こんな博物館も。この赤の使い方を見て思わず京都伏見の鳥居を思い出した。
 
 
極めつけはこの小学校。まったくどこかのホテルかと思ったよ。今年あった青海の地震の際にも地震発生後一週間以内で電気、水道のライフラインが開通したとのニュースを聞いて中国の底力に驚いたけど、この復興のスピードはほんとにびっくりだ。そして改めて思う。この国に日本の税金を使って援助をする意味があるのかと。外交のカードとして意義があるとの主張も、ここまで中国が経済力をつけるともはや説得力がない気がする。この話についてはそのうちいつか改めて書いてみたい。
 
 
ま、あまり考えても仕方ないのでおいしいものでも食べようか、ということでおいしそうな食堂に寄りタンタンメンと刀削面をいただく。これが、四川らしく山椒のたっぷりきいた味であっという間に平らげてしまった。四川料理、やっぱり大好きだ。
 
 
おなかを満たしたあとお店のおばあちゃんと話をする。おばあちゃんは70歳、この食堂を家族、親戚と一緒に切り盛りして20年近くになる。地震の際にも店を営業していて、運よく家がつぶれなかったらしい。なので補強工事を少しして今でも建物をそのまま使っているとのこと。「そんでも親戚はたーくさん死んじまったよ。その分わたしゃ長生きするよ」ばあちゃんならきっと100歳くらいまで生きるよ。
 
 
ここ汶川は羌(チアン)族が結構住んでいる。掃除のおばちゃんも民族衣装だった。
 
 
このあと友人の仕事のカウンターパートである汶川県の林業局と酒を飲む羽目になり、飲んだらセーブするのも申し訳ないので帰りの車は熟睡だった。あとからきいたところでは震源地にも寄ったらしいのにまったく覚えていない。残念。明日は別の被災地、北川。汶川とは対照的な光景が待っていた。

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Written by shunsuke

2010年7月16日 @ 2:26 AM

カテゴリー: 旅行

コメント / トラックバック2件

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  1. 凄まじい復興ですね・・・それに観光用に残しておくっていうアイデアも中国ならではですね・・・中国の飲み、ご苦労さまでした。笑

    Kensuke

    2010年7月18日 at 1:03 AM

  2. > negi南寧やここだけじゃなくて、13億が住むこの国のいたるところで建物が雨後のタケノコのように建てられているんだよね。以前「世界のクレーンの4分の1はドバイにある!」なんてことが言われていたけど、3分の1は中国だと思う。いや、半分かも。それでもおかしくないと考えさせるような光景だったよ。

    Shunsuke

    2010年7月18日 at 3:28 AM


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