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Archive for 8月 2010

北部湾って知ってますか?

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8月12日と13日南寧で開催された「第5回北部湾経済圏協力フォーラム」に出席してきた。え?北部湾ってどこ?と疑問に思う人も多いと思う。日本ではトンキン湾と知られるハイフォンから雷州半島まで続く湾のことを中国では北部湾と呼んでいて、ベトナムでもVịnh Bắc Bộと同じ文字を当てているんです(ここね↓)。

広西自治区は中越戦争の影響で90年代初頭まで外資に開放していなかったこともあり、沿海部なのにまだそれほど経済発展が進んでいない。中国はASEANとの関係性の中で、この地域を北部湾経済圏として重点的に開発しようとしている。その中で投資が進んでいますよーみんなだからもっとおカネ落としてくださいねーと内外に向けてアピールするためのイベントがこの「北部湾経済圏協力フォーラム」なんです。

フォーラムの出席者は政府関係者、学者、企業関係者など400人ほど、うち9割が中国人であとはASEANからの人やその他の人たち。そのうち日本人は僕も含めて5人だけだった。日本からはなかなか見えづらい地域だけどちょっと寂しいね。そんな中、呼んでもまったくメリットのない僕が出席しているのはあまりに外国人が少ないから少しは呼んでおかないとハクがつかないからだろう。会場はこんなところ。

このフォーラムの見せ場が、北海、欽州、防城港、南寧地区に投資が決まったプロジェクトの調印式。投資額何億元!何十億元!といったプロジェクトを調印していく。というこういう時は承認されている計画だけでなく、いつか投資したいねーという計画まで投資額に含めてしまうので、ほんまかいなというような投資額が発表されるのも面白い。こうなるともう数字遊び。とにかくデカい金額を言ったもん勝ち。どうせ実行段階になって誰も調べないもの。で、まさにこれをテレビやその他で伝えて、広西発展してますよー僕ら自治区政府も仕事してますよーと(党中央)にアピールすのがこのフォーラムの目的なんです。

このフォーラム、調印式のほかに一日半、政府関係者の紋切り型の挨拶や学者のプレゼン、パネルディスカッションが続いていくのだけど、その合間のコーヒーブレイクもまた面白い。会場の横にコーヒーサービスがあって、飲み物とケーキをサーブしてくれるのだけれど、休憩に入ったとたん僕ら来賓でなくて会場スタッフや記者が飲み物食べ物を占領してしまうのだ。僕らには座る場所すらない。

こういうのを見るとまだまだ田舎だなあって思う。客を呼んでおいて客をもてなさなくてはいけないスタッフが邪魔しているんもの。やっぱり自分たちのために開いているんだよねって感じてしまう。今年は南寧で初めての世界的なイベント世界ハーフマラソン選手権も10月に開催されるんだから、こんな表面だけのもてなしよりも呼んでいる客のことを考えてほしいよね。頼むよ!

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Written by shunsuke

2010年8月23日 at 12:19 AM

残された者にできること

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「やっぱり久しぶりに野球やると楽しいっすね」。高校球児の面影を残す爽やかさと、はにかんだ笑顔。それが僕にとっての北優路の第一印象だった。彼との出会いは1998年の4月のこと。同じ学部の一つ下の学年で入ってきた彼、お互いに野球をやっていたということもありすぐに仲良くなった。以来、とても仲がよかったというわけじゃないけれど、学校で会えば話をし、たまに酒を飲んだりする仲だった。
 
-テレビ局記者、秩父の山で遭難死-一時帰国の最後の朝、何気なくホテルの部屋で流していたテレビから聞こえてきた名前に耳を疑った。「記者になることになったんっすよー」彼が卒業する前の飲み会でビールを飲みながらそう就職の報告を聞いて以来、それが7年ぶりに見た彼の姿だった。
 
彼の名を東京のホテルの部屋で聞いてから二週間あまり。今では彼の名前がニュースになることはなくなった。世間なんてそんなものだ。日本だけでも一日に何千人と死んでいくわけで、一人の死がそれほど長い期間ニュースバリューを持つわけではない。会社なんてそんな組織だ。一人がいなくなったとして誰がその仕事をしたとしても劇的に結果が変わることは少ない。
 
死んだら終わりなんだな。すごいドライなのかもしれないけれど、彼の死とその後のニュースを見てそう感じた。仕方ない、人の記憶には限界がある。生きている限り何か新しいインプットがあるたびに別の何かを忘却しなくてはならない。そうやって時の経過とともに世間と人の記憶は薄れていく。
 
でもそれって寂しい。だからこそ、世間の記憶が薄れていっても、少なくとも僕らは彼のことを忘れないでいたい。それが残された僕たちにとってできることであり、彼に対してのせめてもの弔いになるんじゃないか。
 
ユージ、きっと一緒の時間を過ごしたたくさんのやつらがお前のことを覚えているよ。安らかに眠ってくれ。

Written by shunsuke

2010年8月15日 at 7:06 PM

雲南での三日間

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「おい、ちょっと雲南省へ行ってきてくれ」一時帰国の間際、そんな上司の一言で雲南省の山奥、景谷へ行ってきた。南寧から飛行機で一時間飛ぶと、青春時代をすごした雲南省の省都、昆明に到着。そこから車で10時間以上かけて山奥へ入っていく。
 
高速道路を降りるといきなり道が悪くなった。どうやら道路の拡張工事中らしく、その上雨が続いていたのでいたるところでがけ崩れが起こっているらしい。一時間ほどガタガタ道を行くと、完全に車が停まってしまった。降りてみてみると、路肩が完全に崩れている。こりゃひどい。
 
 
並んでいる車の前のほうに行ってみると、崩れてきた土砂で完全に道が埋まっていた。そこをショベルが必死に土をのけている。こりゃ、だめだ。
 
 
僕らには待つしかないので、ベトナム風のすげ笠かぶって記念写真。
 
 
雲南省は山だらけ。そんな山だらけの土地に4,000万人以上の人たちが暮らしている。ほんの少ししかない平らな土地に家が建てられ、そして斜面は棚田になっていることが多い。自然と人間の生活とのせめぎあい、日本の田舎で見たことのあるような景色だ。
 
 
雲南には固有の松があって、その松からとれる松脂が一大産業になっている。こんな感じで松の幹に傷をつけると脂が出てきて、下のコップにたまる。それを月に一回くらい回収するというわけだ。
 
 
農作業の帰り、サツマイモの葉を大量に抱えたおっちゃん。
 
 
このあたりはプーアル茶の名産地。街のお茶屋さんに入ると、広西じゃなかなか手に入らないような貴重なお茶が破格の値段で売られている。そんな茶館でゆっくりお話しながらお茶を飲んでいるとあっという間に滞在時間が過ぎてしまった。
 
 
雲南で留学していた頃には、自分が仕事でこの場所を訪れる日が来るなんて思いもしなかった。雲南は広西の隣の省なんだけれど、気候も人々も全然ちがう。雲南省で過ごした時間より広西で過ごしている時間のほうがすでに長くなっているのだけれど、それでも僕にとって雲南はとても懐かしい場所だ。ここに来るたび帰ってきたんだなあという感覚を覚える。そんな三日間の雲南滞在、また近いうちに来ることになりそうなので次も楽しみだ。

Written by shunsuke

2010年8月2日 at 3:26 PM