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DAY9:僕らは3000年後に何を残せるのだろうか?

with 2 comments

旅も最終日。朝6時くらいには起きて、ギザのピラミッドを見に行こう!と計画していたのだけれど、朝起きてみるとすでに8時。歩き回る必要があるピラミッドに行って飛行機に間に合わないのもシャレにならないので、もう一つの候補だったエジプト考古学博物館に行くことにする。

「エジプトを知りたいなら大英博物館に行け」有名なロゼッタストーンのようにイギリスの植民地時代に持ち去られ、今もロンドンにあるエジプトの歴史遺産は多い。それでもこのカイロの博物館にはツタンカーメンの黄金のマスクや歴代ファラオのミイラが保管されているのだ。

せっかくピラミッドに行かない選択をし時間に余裕ができたのだからと、まずは宿の下にあるカフェでゆっくりチャイを飲む。紅茶と砂糖といっしょにミントの葉っぱが出てきた。紅茶の上にのっけて飲むと、ミントティーのできあがり。

このあたりの一角はカイロのビジネスマンの朝の休憩スポットになっているらしく、スーツ姿で水タバコシーシャを飲みながら新聞を読む人も多い。そんな客の間をすり抜ける猫たち。そういえばエジプトは古代から猫を飼っていたんだっけ。

宿から10分ほど歩いて街の中心タフリール広場に着く。博物館はこの広場に面した一角にあった。どこの途上国でも交通事情はひどいけど、この街の渋滞と排気ガスもかなりひどい。アフリカで唯一地下鉄がある街なんだけど、まだインフラが追いついていないんだろうな。

博物館の中は撮影禁止。60EGPのチケットを入り中に入る。博物館の建物はイギリス統治下の建物らしき天井の高いコロニアルな建物で、天井のつけられたガラスから光を取り入れている。「考古学博物館」との名前だけに展示物は古代エジプトがメイン。サダトさんとかはいない。

有名なピラミッドがあるギザの地から出土したもの、ルクソールの王家の谷から見つかったもの、石造や棺、それらとともに埋葬されていた装飾品がこれでもかというくらい展示されている。

興味深かったのは棺。初期のころは幅80cmくらいある棺がほとんど木で作られていた。それが時代を経るにしたがって石棺に変わっていったとのこと。これを見て、5年前にレバノンで聞いた話を思い出した。

今のレバノンの国旗にもなっているレバノン杉はマツの仲間で非常に材質が硬くて建築用材や船の建造などに適している木材らしい。太古の昔は中東地域に広く分布していたものの、エジプト文明の発展により、船や家などの建設のためにどんどん切られエジプトに運ばれていった。その結果、どんどん資源が枯渇し、エジプト文明もレバノン杉の資源と同様の衰退をたどっていった。

文明の基礎をなした資源の枯渇と文明の衰退にどのような因果関係があるのかどうかはわからない。ただ、直径1m近い大木をくりぬいて棺をつくっていたのに、エジプト文明後期には王の棺をつくることすら適わないほど木材が枯渇してんだろう。幅1m近い木の棺とその横に並んでいた石の棺を見て、そんな4000年前のことに思いを馳せてみた。

そして、いよいよ目玉のミイラとツタンカーメン。博物館に行く前は、目玉はよく知られたツタンカーメン王の黄金のマスク!と聞いていた。確かに現代でも黄金色に光るツタンカーメンのマスクはすごかったけど、それよりも歴代のファラオたちのミイラが衝撃的だった。

博物館の2階に上がり、入場券とは別で追加で100EGPのチケットを買うとその王の部屋に入ることができる。僕はちょっと迷ったものの、チケットを買い列に並ぶ。王のミイラが眠る部屋に入ると、そこにはラムセス2世、アメンホテプ2世など、世界史の授業に出てきた偉大なる王たちのミイラが並んでいたのだ。

すごかったのはミイラの保存状態。特にラムセス2世がすごい。皮膚はもとより髪の毛や爪までもしっかりと残っていて、まるでうちのじいちゃんが死んだ時とたいして変わらないような(じいちゃん、ごめん)死に顔。そして、ファラオの名にたがわず見るものをひざまずかせるような威厳を死してなお保っている。

中国の三国志の中で死んでしまった諸葛亮孔明が自身の木像を作らせて「死せる孔明、生ける忠達を走らす」との場面があるけれど、死して3000年以上経つこのミイラが現代の僕に威厳を感じさせるのって、とてつもないことだと思う。だって3000年だよ、3000年。果たして3000年後の人々を感嘆させることができるようなものが今の世界にいくつあるんだろうか?

予想をはるかに超えた展示に大満足していたら、あっという間に昼が過ぎタクシーで空港まで行き成田行きのエジプト航空に乗って帰国。アルジェリアは精神的にきつい旅行だったけど、最後にカイロですばらしいものを見ることができてよかった。エジプト、次にゆっくり来よう。

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Written by shunsuke

2011年1月19日 @ 8:58 PM

カテゴリー: 2010/12 Algeria

コメント / トラックバック2件

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  1. いつかアラビアに行ってみたいと思っているけど、エジプトなら生きやすいかもしれない。
    3000年を残す文化に触れてみたい、と、しゅんさんの記事を読んで思いを新たにしました。

    お茶と一緒に水は出てくるものですか?まるで日本の喫茶店のよう。

    アラブは猫世界ですね。歴史的に。
    犬は嫌われているとか。
    メキシコは逆に犬が多くて猫は少ないんですよ。

    Herry

    2011年1月20日 at 2:30 AM

    • > Herryさん
      それでしたらエジプトは英語も通じるし、ツーリストも多いし旅がしやすいのでおすすめです。
      何よりピラミッド、アブシンベル宮殿と一時代を築いた歴史建造物が(大英帝国のおかげで)しっかりと保存されています(僕は行ってないですが…)
      お茶と水は一緒に出てきましたね。犬はいないの?とカイロの喫茶店で聞いてみたところ、「ビジネスで来た中国人に食べられちゃったんだ」と返ってきたので、じゃあ次は猫もいなくなるね、と返しておきました。結構猫もおいしいんです。

      話はそれましたが、メヒコからでもNY、DCあたりまで行けばカイロまでの直行便が飛んでいるので行きやすいですよー

      shunsuke

      2011年1月22日 at 1:21 PM


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