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DAY3:川をさかのぼってエンジェルフォールへ

with 5 comments

カナイマの空港に無事にランディングすると、こんなわらぶき屋根の待合室が出迎えてくれた。これまでのカラカス、シウダーボリバルのピリピリした雰囲気とはうって変わってのんびりした場所。この雰囲気いいね。

セスナを降りた4人はここで3日間お世話になるガイドと合流。ガイドの名前はペドロ、今回は総勢13名のメンバーらしく、まだ到着していない他のメンバーを待つ間に周辺を散策する。こ こカナイマは地域全体が国立公園になっていて、ほとんど人は住んでいない。カナイマの街の近くにもカナイマ湖という湖があって、数あるテーブルマウンテン の中でもてっぺんの面積が一番大きいアウヤンテプイ(Auyan Tepuy)から流れてきている川が滝をつくりこの湖に注いでいる。僕らは今からこの滝の上流をさかのぼっていく。エンジェルフォールはこの川の上流にあ るのだ。

そんなカナイマ湖で洗濯をしていたおじいちゃん。今71歳の彼が23歳の頃にここに移り住んできたとのこと。いつもここで子どもや孫と一緒にやってきて洗濯してるんだって。森から出てくるタンニンをたっぷり含んだ湖の水は黒い。白い服を洗っても茶色くなってくるからここではみんな白い服は着ないそうだ。

しばらくすると、他の9名が合流。スペインのグラナダから来たスペイン人とベネズエラ人の看護士と女医6名、ロンドンでコンサルタントをやっていたイタリア人のロベルト、ワシントンDCに住んでるベネズエラ人とカナダ人のカップル、ロシア人のセルゲイ夫妻、そして僕ら2人の計6カ国から集まったメンバーだ。この13人で下の地図のCanaimaの場所からボートに乗って80km、4時間ほど川をさかのぼり、エンジェルフォール(Salto Angel)の向かい側にあるキャンプサイトで一泊、翌日1時間ちょっと山を歩いて滝の真下にある展望台に行ってカナイマまで戻ってくる。最初は1日目カナイマに泊まって2日目にキャンプに行く予定だったのだけど、今日の天気がよいので1日目にキャンプに向かうことになった。

まずはピックアップに乗ってボートの出発地点に向かう。13人のうちスペイン語がメインなのが女医と看護士6名、そしてRobertoとワシントンに住んでいるベネズエラ人の彼女はスペイン語(イタリア語)がネイティブで英語もかなりうまい。セルゲイはそこそこ英語を話すけれど、奥さんがほとんど英語を話せない。そんなメンバー構成なのでガイドのペドロはスペイン語と英語を織り交ぜて説明していく。セルゲイは逐次奥さんにロシア語で通訳、愛の為せる技だね。

カナイマの街を抜け10分ほど行くとボート乗り場に到着。ここで20人くらい乗れるボートに乗り換えていよいよ川をさかのぼる。


出発して20分ほど行ったところで、いったんボートを降りて歩く。早瀬のところは人が乗ったまま行くと危険なので、乗客は降りて荷物だけ積んでスタッフがボートを進めるのだ。ボートのエンジンの音が聞こえなくなると、聞こえてくるのは風の音だけだ。とっても不思議な空間。この周辺にはアウヤンテプイだけでなくいくつかのテーブルマウンテンがあってどれも形が個性的。垂直な崖だけじゃないんだね。

僕らの目線の先に巨大なアウヤンテプイが見えてきた。このテプイのてっぺんから流れ落ちているエンジェルフォールの落差が973m、ということは高さ1,000mの壁なわけだ。でかすぎて異次元の世界に来た感じ。遠近感がよくわからなくなるなあ。

30分ほど歩いた後、一行は再びボートに乗り込み、さらに川をさかのぼっていく。時おり早瀬に来ると水が跳ねて気持ちいい。天気も絶好のピクニック日和だ。しばらくすると「昨日3時までパーティだったから」とペドロがおもむろに缶ビールをとりだして飲み始めた。おいおい、自分のしかないのかよ。まあベネズエラだからありか。このペドロ、ガイドはしっかりやってくれてその上茶目っ気があっていいやつだった。

13時を過ぎたところで少し遅めのお昼ごはん。支流が流れ込む小さな滝つぼで水浴びをする。森から流れ出てきたばかりの水は意外に冷たい。それでも日が差していたのであっという間に水着は乾いてしまう。

岸のほうを見ると、水際の水没した木々からタンニンが溶け出しているのがよくわかる。このボートトリップの途中、不思議だったのが魚が跳ねる姿やさえずる鳥の姿をほとんど目にしなかったこと。後から聞いた話だと、タンニンが多く溶け出したこの川はpH4.0~5.0くらいの酸性のため生息可能な生物の数が少ないそうだ。だから流域に生息する鳥やそのほかの動物も少ないのかもしれない。こうして枯葉などから溶け出していった成分が川に流れ、最終的にオリノコ川としてカリブに流れていく。何万年、何億年もこの炭素が積み重なっていった結果、今のベネズエラの油田ができたんだろうね。一緒に行ったHはエネルギー関係の仕事をしているので、気がつくとこんな話になっていることが多いな。

だんだんアウヤンテプイがでかくなってきた。よく見ると小さな滝がテプイから流れ出している。エンジェルフォールはこのアウヤンテプイから流れ出る滝だけど、アウヤンテプイから流れ出る滝はエンジェルフォールだけじゃないんだね。てっぺんの平らな部分の面積が700k㎡もあって東京23区よりも広いのだからそれも納得。


カナイマを出て4時間が経ったころ、突然視界の先に白いものが見えてきた。エンジェルフォールだ!ここからだと流れ出るところと流れ落ちる場所が岩に隠れているから最初はよくわからなかったけど、近づくにつれて白いものが水しぶきなことに気がついていく。

メンバーのテンションも最高潮!

4時間半かけてキャンプサイトに到着。キャンプサイトといっても、ここは亜熱帯の国ベネズエラ。テントはなくて、屋根だけが建てられているだけ。夜はハンモックに寝ることになる。カラカスやシウダーボリバルの厳重な戸締りから考えると開放的でいいなあ。ただ、夜は結構冷えて長袖二枚着ても寒かった。

夕食前にこのキャンプサイトの近くでエンジェルフォールがきれに見えるスポットに行く。迫力がすごい。

夜はペドロがカナイマから持ってきた2本のラムをみんなで空けて、踊り騒ぎまくる。まるで修学旅行みたいな、そんなノリ。これぞラテンな感じ。この雰囲気大好きだなあ。しかし気がついた頃には午前3時、まったく何しに来てるんだか。

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Written by shunsuke

2011年5月23日 @ 5:13 AM

コメント / トラックバック5件

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  1. わくわくしながら世界中のレポート読ませてもらっています
    アウヤンてプイを見にほんとに行っちゃうんだ!
    エンジェルフォールなんてTVを通してみるもんだと思ってた
    臨場感のあるレポートがいつも楽しみ
    東日本大震災のレポートも東京の様子が初めて膚で感じた気がした

    おちゃのこ

    2011年5月29日 at 12:34 AM

    • > おちゃのこさん
      すっかり放置してしまってすみません。
      僕もエンジェルフォールなんて、いや南米なんて世界の果てのようなところで、子どもの頃は本当にこの地球上に存在しているのかさえも半信半疑なくらいでした。みんなで僕をだましているんじゃないかって思ったくらい。
      今は部屋にいながらインターネットで世界中の映像や画像を見ることができる。僕みたいなサラリーマンでもちょっとの休みで行って帰ってこれる。世界は狭くなりましたよね。もしかしたらその分現実の体験が持つ価値も、昔に比べたら軽くなってしまっているんじゃないか。そう感じることもあります。

      shunsuke

      2011年6月12日 at 2:01 AM

  2. 私も短い休暇でちょうど同じようなルートを考えていまして、宿や交通機関、所要時間などの情報がかなり参考になってたすかっております。この後は結局、どのようにマナウスまで国境超えされて、再びカラカスに戻ったのでしょうか?
    私もエンジェルフォールだけももったいないので、アマゾンにも足を伸ばしたいのですが、時間的にカラカスに戻れるか不安でして。よろしければ、ブログの更新の予定がなければ、軽くコメントで教えていただけると幸いです。

    2011年7月18日 at 1:25 AM

    • > まさん
      更新滞っていてすみません。すっかり放置してしまっていました。
      結局このあとマナウスまで国境越えして、またそこからカラカスまで陸路で戻りました。
      マナウスからカラカスへの空路があるはず!と見越していった僕の読みは甘かったです。
      日程も追加して更新していきますね。
      僕も12月に登れなかったテーブルマウンテン(ロライマ山)に再チャレンジしてくる予定です。
      チャベスの健康問題が出てきて情勢が怪しくなっていますが、気をつけて行ってきてくださいね。

      shunsuke

      2011年7月19日 at 10:54 PM

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