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ヤン・リーピン「クラナゾ」@bunkamuraオーチャードホール

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ずいぶん時間がたってしまったけど、4月6日に渋谷bunkamuraにヤンリーピンの新作「クラナゾ」を見にいった。

こちらの舞台、中国語で「藏谜」。その名の通りチベットの文化に焦点を当てた舞台で、08年、10年と雲南の各少数民族の文化を詰め込んだ「シャングリラ(云南影响)」で来日して以来ヤンリーピン三度目の来日公演だった。雲南出身の彼女の活動は僕が昆明にいた頃から話には聞いていたのだけど、初めて彼女の舞台を見ることができたのは2009年の南寧でのこと。その時は、踊りの美しさに鳥肌がたったものだった。

ヤンリーピン「云南的响声」@南寧劇場

これまでも彼女は実際に少数民族の村々を回り、そこで踊りのうまい若者をスカウトして劇団をつくってきた。今回の演目にあたり、彼女はチベットを歩き回りチベット族の若者をスカウトしていったという。そうすることで、踊りの中に詰め込まれた文化や代々受け継がれてきた伝統が消えることなく価値を持つものとして民族のものとして残されていく。「どうしたら少数民族の文化が受け継がれていくことができるのか」そう考え続けた彼女がたどりついた答えだ。すごいのは、ヤンリーピン自身が私財を投じて劇団を経営していること。そしてダンサーかつ、演出家かつ、プロデューサー。53歳を迎えた今年もまだ世界を回りながら現役で踊り続けている、そんな雲南の誇りなんです。

今回の踊りの演目もすべて生活の営みの中の一こまを切り取って、それを舞台に仕上げている。農作業で畑を耕したりヤクを追うしぐさ、水を汲み酒を飲み干す動作、そして祈り。彼女の手にかかると生活のあらゆる場面が踊りになってしまう。

一つひとつの踊りはチベタンらしく舞台の床が抜けるかのような力強さと躍動感にあふれていてすばらしい。そしてそれ以上に信仰の中に生き、輪廻転生で世界が成り立っているチベットの世界観を舞台の演目としてよくつくりあげたと思う。チベットのことを知らなくても踊りで楽しむことができるけど、チベットのことを知っているとこの舞台はもっと奥深いものになる。すごいよ。言葉は半分くらい漢語だったのでそれも楽だった。

今回は公演前に東日本大震災が起きて、率直なところ公演はキャンセルになるんだろうなと思っていた。客席はこの時期にもかかわらず満席。いや、こんな時期だからこそみんな心を震わせるものを求めているんだろう。4分の3が年配の人だったけど。

公演後に彼女が舞台で述べた言葉がとても印象的だった。「三年前の地震でチベットは大きな傷を負った。だけど同時に日本をはじめとして多くの人からたくさんの勇気をもらった。今度は私たちが日本の皆さんに勇気を与える番。地震が起きて日本の多くの人が困難な状況にある今だからこそ私たちは行かなくてはいけない。それが私たちの使命だと思ってここにやってきました」この言葉には不覚ながら泣いてしまった。地震以来涙もろくなってるなあ。

丽萍,来てくれてありがとう。我们都激动你们的演出。你表演的确给我们了勇气。

彼女の踊りはYou tubeにものっているので、見たことない方はぜひ。

孔雀の舞

月光

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Written by shunsuke

2011年7月30日 @ 4:42 AM

カテゴリー: エンターテイメント

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コメント / トラックバック2件

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  1. 前にシャングリラ見に行った。圧巻。そしてやはり年配のお客さんが多かった。
    若い人にこそ見てほしいけれど、場所やチケット代考えると難しいのかな。

    kitkat

    2011年7月30日 at 1:24 PM

    • > kitkatさん
      圧巻ですよね、ほんと。場所は渋谷なのでやはりチケット代かなと思います。
      S席1万円越えは、その価値を理解できない方にはなかなか手が出ないと思います。
      ただ、見たことないから価値が伝わりにくいわけで、一度見たことがある方ならば
      そのくらいの価値があるということを理解できるとも感じます。
      つまりは主催者側もそのくらいのお金を払ってくれる人に見に来てもらうだけで満席になると考えているのでしょうね。事実、満席ですし。
      僕個人としては、どんなにお金がなくとも、客観的に価値判断ができないものに対して敬意を
      表すことができる心は、常に持っていたいなと思ってます。

      shunsuke

      2011年7月30日 at 6:21 PM


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