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DAY8: 10年越しの憧れ、青の都サマルカンド

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この日は朝一番に列車「シャルク号」でブハラからサマルカンドへ移動する。宿には前日のうちに7時にタクシーが来るよう手配してもらったら、しっかりと時間どおりに迎えに来た。朝から「ハラショー」と陽気なおじさまのドライブで駅まで1台5ドル。

シャルク号はブハラからタシケントまでを結ぶ特別列車。ブハラからサマルカンドまでは3時間ちょっとで着く。宿で買ってもらった二等車に乗り込むと対面式のシートだった。広州とシンセン、香港を結ぶ広九鉄路もたしかこんな感じだったね。

列車は定刻どおり11時過ぎにサマルカンドに到着。古くは4世紀にアレクサンダー大王が「話で聞いていた通りに美しい・・・いや、それ以上に美しい」と言った場所。青の都、東方の真珠。2000年に昆明で留学している時に友人が持っていた旅行人シルクロードを見ながらいつか行きたいと思ってはや11年。3年前にはチケットを買うも出発5日前に薄利骨折をして断念したこともあった。そんなサマルカンドにようやく僕はたどりついた。と、到着しただけで感慨深くなってしまった。

駅からバスで街の中心部に向かうが予定していた宿のバハディールは満室だったため、そこから15分ほど歩いたところにある宿、Legendに向かう。炎天下の中少し迷ってかなり疲れたけれど、中庭に樹齢100年を越える大きな木が茂るとても居心地のよさそうなB&Bで、一部屋25ドル。

ヒヴァに三泊もしてしまったのでサマルカンドにいられるのは今日一日だけ。荷物を置いてウェルカムドリンクで出してくれたグリーンティーを飲んで一息ついたら街に出かける。ところで、ここウズベキスタンでは暑いときでも温かい紅茶(ブラックティー)か、緑茶(グリーンティー)を飲むことが多い。中国でも冷たいのは身体によくないって言って飲まないし、中米でもそうだったっけ。冷たく冷やしたものを飲むことができるのって、冷蔵システムを持っていて途切れずに電力が賄うことができるところだけなんだよね。

腹は減っては元も子もない、ということでまずは腹ごしらえ。レギスタン広場の北側にあるチャイハナに入り、これまで食べる機会のなかったラグマンを食べてみる。トマトベースのスープにこれでもか!と具がたっぷり入り、さらにこの下にうどんが隠れている。すごいボリュームだ。一見大味のように思えるけど、上に乗っかったパクチーが小気味よく効いていてすっと胃に入ってくる優しい味になっている。こりゃ、うまい。

お腹が満たされたところでまず最初に向かったのは中央アジアの英雄、ティムールが眠るアミル・ティムール廟。モンゴルではチンギス・ハーンが、アラブ圏ではサラーフ・アッディーンが英雄になっているようにここ中央アジアではぶっちぎりでティムールが英雄だ。チンギス・ハーンによって破壊されたサマルカンドを再建した男、ティムール。「豪華な墓などいらない」と言って死んだ彼だけど、死後にこんな立派な廟に一族ともども眠ることになった。ガイドブックによると、1941年にソ連の学術組織によってこの墓が開けられティムールが片足が不自由だったことなどがわかったという。死んで数百年経ってもゆっくりさせてもらえないなんて、英雄になるのも考えものだ。

この後はタクシーに乗り、一路丘の上にあるサマルカンド有数の聖地、シャーヒズンダ廟群に向かう。ここは7世紀に預言者ムハンマドの従兄がここで礼拝中に異教徒に襲われ命を落とした場所らしい。その後、ティムールの時代に宰相ウルグベクによって門が建設され、ティムールゆかりの人々が眠る聖地となった。青の都サマルカンドの中でも飛び切り青が美しい場所。

中は回廊になっていて、道の両側にそれぞれティムールの妹や妻、配下の将軍を祭った廟が並んでいる。どれも青を貴重とした見事な模様のタイル装飾で彩られていて、ただため息が出るような美しさだった。ヒヴァが素朴な美しさ、ブハラが文化の香りのする都だとしたらここサマルカンドは世界の中心だ。そんなことを考えながら進んでいくと左手に少し雰囲気の違う建物が見えた。これはクサム・イブン・アッバース廟、ここでモンゴル軍に破壊されずに残った唯一の建物で、この廟に3回詣でるとメッカに礼拝したことと同じとなるらしく、この扉は”Heaven’s door”と呼ばれている。見事な木彫りだ。

しかし、ここに3回詣でただけでメッカに行ったことと同じになるなんて、なかなか便利な話だ。チベットのマニ車も一回まわすだけでお経を読んだことと同じことになるし、宗教ってそういう遊び心が垣間見えるところが面白い。生活に宗教が根ざしている場所ほど、敬虔と呼ばれる人たちほど楽しみながら信仰に身を投じている、僕個人としてはそんなことを感じている。

「あんたたち、中は入ったの?どんな人でも入れるから見てきなさいよ」そうおばちゃんい言われてこの廟の入口を見てみると”The doors of paradise are opened to all believers”と書かれていた。どんな信者にも開かれている、そんな懐の深さがいいね。

中の廟はシンプルな壁面、だけど見上げた天井は他のどの廟よりも美しかった。

ティムールが愛した美しい妃を祀ったシャーディムルク・アカ廟。ここで最も美しいと呼ばれている廟で、壁面の模様だけでなく、扉や窓の装飾にいたるまで細部に美しい彫刻が施されていた。現存するのは復元されたものと聞いているけれど、ここまでしっかりとこだわった彫刻がなされているのはヒヴァ、ブハラではなかったな。

1時間ほどシャーヒズンダ廟にいたら、かなり日が傾いてきた。ここサマルカンドはヒヴァやブハラと違い標高700mくらいあるため、少し日が傾くとすぐに涼しくなる。廟を出てすぐにあるシヨブ・バザールに向かうと、夕暮れ時で店じまいが始まった頃だった。それでもまだ熱をもっているナン売り場をのぞいてみる。

ナンと聞くとインドのナンのような葉っぱ型のものを思い浮かべると思うけど、ここサマルカンドのナンはちょっと特別で、こんな形をしている。原料は小麦で同じなのだけどゴマをたっぷり使っている上、少し塩味があって噛み応えのある味なのだ。

「私のところのナンは特別よ。ここまで来たからには買って行きなさいよ!」とおばちゃん。そうは言っても、それ朝焼いたやつでしょ?また明日の朝に焼きたてを買いに来るよ。と言っておばちゃんから逃れる。でも、おいしそうだなー

「それじゃ、明日の朝は私のところのナンも買っていってね」と隣のお姉さん。なんかこういうやりとりいいなあ。普段の旅の中でも現地の人と触れ合う瞬間はあるけれど、市場の雰囲気や市場で出会う人たちの表情は格別だ。モノを売り、買う。そして食べ物をつくり、食べる。それらいろいろな欲が詰まっている市場には、昔から人間が積み重ねてきた本来の姿が垣間見れるんだと思う。それが古代からの通商都市、サマルカンドならばなおさらだ。

考えてみたら、今夜はウズベキスタンで過ごす最後の夜。やっぱりメロンを食べなくちゃ、そう思いナン売り場を離れると次は果物売り場に向かってみた。すると、「食べていきなよ」とこんなスイカがお出迎え。そのギザギザスイカには惹かれたけど・・・でもごめんよ、今夜はメロンってもう決めているんだ。このお兄ちゃんはかなり東洋系の顔立ちだ。さすが文明の十字路。

スイカのエリアを過ぎると慣れ親しんだ甘いにおいが漂ってきた。厚い皮から漏れ出るくらいの強烈な甘さ、メロンだ!

10分ほど鼻を近づけたりポンポン叩いたり、どれがおいしいか吟味した後1個3,500スム(1.5ドル)でメロンを購入。おっちゃん、ありがとう!

この日の最後にティムールが建築した巨大モスク、ビビハニム・モスクに寄る。この門を見てもらえればわかるとおりとにかくデカイ。10階建てのビルくらいはありそうな高さだ。1399年にインド遠征から帰ったティムールは、サマルカンドの街に大きなモスクがないことを嘆き、このモスクの建造を始めたという。メロン片手にモスク参詣はちょっと大変だった。

青の都、初日。美しい青色との出会いと、市場で人々の素のに触れることができて充実した一日だった。明日はいよいよれウズベキスタンのハイライト、レギスタン広場です。

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Written by shunsuke

2011年10月3日 @ 6:13 AM

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