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Archive for 3月 2012

DAY5 ロライマトレック2日目: ロライマ登頂!

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この日は若干ハード。全6日の日程を5日に詰め込んだものだから、今日は標高1050mのKukenan Campから10.5km歩いて一気に2700mのロライマ山のてっぺんまで登る。こちらがロライマトレック全体図。

朝6時に起床してアレックスのつくったパンケーキをしっかり食べて腹ごしらえ。

テントをたたみ、7:30に出発。 一日数回雨が降ると聞いていたけれど、今日も晴れていい天気。ロライマとクケナンが出発したときよりだいぶ大きくなってきたぞ。

昨日は小高い丘を登ったり下ったりしたけれど、ここから先はロライマの麓にある”Campament Base”まで6km歩いて450m標高が高くなるゆっくりとした上り坂。草原の中の小道をひたすら歩く。谷から尾根へ、尾根から谷へ。

次第に雲が出てきて、10時を過ぎると日がかげってきた。なにせ赤道に近いので日差しは強烈。標高が高くなるタイミングで直射日光がさえぎられるのは体力的にはありがたい。歩き始めて3時間ちょっと、11時近くなった頃雨がポツリポツリと降り始めた。ここまで降られなかったのが奇跡的、それだけでも感謝だね。このあたりになってくると、見たことないような植物もちらほら視界に入ってくる。いよいよ植生が変わってきたようだ。

11:30にロライマ直下の”Campament Base”に到着。雨は強くなり、土砂降りになった。ロライマも厚い雲に覆われてるなあ。

ここはちょうどロライマの真下に位置するキャンプサイトで、6日間トレックの場合ここで2日目の夜を過ごす。僕らはここで昼ごはんを食べてそのままてっぺんへ向かう。川が流れていて天気がよかったら水浴びできて気持ちいいんだろうな。ちょうど今朝方ロライマ山頂から下りてきたグループもここでランチを食べていて、みな興奮気味に今朝見えた朝日のすばらしさを語っていた。期待が高まってきたぞ。

ところで、僕はこのロライマツアーに来る前に大きな疑問があった。断崖絶壁に囲まれているロライマにどうやって登るのか?アレックスに聞いてみたところ地元の人たちによって発見された階段状になっている場所があって、そこから登るようだ。ロッククライミングみたいなものを想像していたのでちょっと安心。

ここから1200mの登りに備え腹ごしらえをした後、いよいよロライマの核心へと出発。ここから急に植生が濃くなり、周りは高木に覆われたジャングルとなる。アレックスによると、湿った空気がこのテーブルマウンテンの1200mある岩にぶつかって上昇気流が起き、毎日雨が降るかららしい。納得。

道もこれまでの緩やかな登りから、岩や粘土質の急な坂を登っていく道になる。傾斜が急な上、雨が降っていて足下に水が流れているので滑りやすい。そんな雨ばかり降っている場所なので、木々に覆われた樹幹の下は蒸し暑くあたりは一面苔で覆われている。雰囲気はグアテマラやコスタリカで見た熱帯雲霧林だね。

そんなジャングルの道なき道を登っていくこと1時間、ついにロライマの岩の真下に着いた。なんか距離感よくわからないけど、この岩、高さ800m以上あるんだよね。ただただ、すごい。

岩の真下に到着した後は、階段状になっているポイントまで岩の外周に沿って横に移動していく。途中、ロライマのてっぺんから落ちてくる水が滝のようになっている場所を通過する。こうして足下を流れていった水が集まって、昨日渡った川になっていくのか。

階段状になっている場所は思ったより幅も広く、足下が滑りやすいことをのぞけば特に危険は感じない。ただ、登るにつれロライマの上を覆っている雲の中に入っていったようでほとんど視界がきかなくなってくる。

ロライマアタック開始から3時間、いよいよ午後4時過ぎにロライマ山頂に到着!てっぺんはもっと真っ平らで着いたとたん一面に平べったい頂上の景色が広がるのかと思ってたけど、大きい岩がごろごろしていてあまり登頂した感覚がなかった。気がついたらもうてっぺんだった感じ。さっそくアレックスがロライマ名物のジャンプできないカエルを見つけてきてくれた。この小さなカエルは天敵がいなく逃げる必要がないロライマ山頂で独自の変化を遂げ、ジャンプする機能が退化したそうだ。ロライマの頂上にはこのカエルのように下界と閉ざされたこの世界で独自の進化や退化をとげた動植物であふれている。

ここでは常に下から上昇気流が吹き上がって雨を降らせ、周りに障害物がないことから四方から風が吹き付ける。そんな環境が岩を寝食し、オブジェのような岩をつくりだしている。

来る前にもちろん写真で見ていたけれど、目の前に広がる実物の存在感にただ圧倒された。とはいえ、どこかで既視感のある世界だと思ったら、小さい頃から愛読していた手塚治虫の火の鳥で描かれていた世界にそっくりなんだ。不思議な岩の形、そして無機質な世界。もしかしたら手塚先生はこのロライマの写真や話からヒントを得て火の鳥の世界観をつくりあげたのかもしれない。

雨ばかり降って風が強い頂上でどこに泊まるんだろう?と思っていたら、こんなちょうどいい場所がしっかり確保されていた。その名もHotel San Francisco。頂上にはそれなりの数の宿泊スポットがあって、それぞれ名前がついているらしい。この日はさすがに疲れて20時に就寝。明日は頂上の探検だ。

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Written by shunsuke

2012年3月26日 at 2:38 AM

カテゴリー: 2011/12 Roraima Trek

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DAY4 ロライマトレック1日目: 左手にクケナン、右手にロライマ

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さあ、ロライマトレック初日、イミグレが開く9時に国境へ行き無事に入国スタンプを押してもらい、朝ごはんを食べ5日間のトレックに備える。朝はやっぱりアレッパ。ここベネズエラにあるトウモロコシから作ったパンケーキのような国民食で、これにアボガドをはさんでたっぷりSalsa de ajo(にんにくソース)をかけて食べるとうまいんだ。もちろんごはんのお供はCafe con leche(カフェオレ)。

気がついたら屋台の食堂のこんなところにもFeliz Navidad。ラテンの国のこういうお茶目なところが僕は好きだ。なんか効率だけを重視したり、お金の価値観だけを追求するのではなくて、生活の中や心の中に余裕というかゆったりとした寛容なものが流れている。もちろんそれはいいことばかりじゃないけど、年間3万人も自分で命を絶ってしまう今の日本に一番足りないことなのかもしれないと思ったりする。

さてさて、おなかも満たされ11時にいよいよトレックへ出発。まずはピックアップに我々のザックやテント、食糧を積み込み、トレックの基点となる村パライテプイ(Parai tepui)を目指す。サンタエレーナを出発した車は、シウダーボリバルにつながる一本道を北上しながらまずサンフランシスコの街に到着。ここから横道に入り、Sabana Grandeと呼ばれている草原地域を徐々に車は高度を上げていく。

この辺りは赤道付近で年間2000mm以上も雨が降るのに、不思議なことにジャングルでなく一面草原が広がっている。水が流れる谷沿いには木々が茂っているのに、面白い。あとで色々聞いてみたところ、砂質土壌のため水が流れる谷のところでしか木が大きくならないんだって。水が少ない丘のところに生えて大きくなっても途中で枯れちゃうそうだ。

12時前にトレッキングの出発地点、パライテプイに到着。高度1,300m。ここはロライマの国立公園エリアの入口で、ポーターたちが住み国立公園の管理事務所が置かれている。ざっと見る限り200人くらい住んでいるようで、学校らしき建物もあった。他の登山者同様、僕らもここで入山登録をして昼ごはんを食べていよいよトレックの開始だ。ガイドのAlex、友人G、そしてチェコから来た元ソフトボールチェコ代表のAnna、みんな準備万端!

こちらがロライマトレックの全行程。標高1200mちょっとのここパライテプイ(Parai Tepui)からスタートして、1050mまでいったん下りそこからロライマの麓1870mまで登る。そしてそこから垂直に900mほど登り2700mのてっぺんにいたる片道22.5km、標高差1600mのコースだ。

初日の行程はパライテプイからクケナンキャンプ(Kukenan Camp)までの14km。行程差はほとんどなく、アップダウンの続く丘陵地をロライマの麓に向けて歩いていく。

ベネズエラ側からロライマへと続く道はこれ一本のみ。そんな道沿いには周辺の人たちの畑らしき土地が少し見られる以外は、ひたすら草原が広がっている。そしてところどころにこんな火を入れた後も。焼畑でもやっているのかな?とAlexに聞いてみたら蛇が出てくるのを防ぐためだとか。よく道を歩いていて蛇に噛まれることがあるそうな。

1時間半ほど歩き、3回丘を登って降りていくと、急に視界が開けて丘の先に巨大なテーブルマウンテンが見えた!おお!これはすごい。これは目指すロライマではなく、ロライマの隣にあるクケナンテプイ(Kukenan Tepui)。これまでは山に雲がかかっていた上、丘のくぼみのような場所を歩いていることが多くてなかなかはっきりと見えなかったのだけど、いきなり眼前に現れた。すごい迫力。

ここからは左側にクケナン、右側にロライマを眺めながらゆっくりと歩いていく。普段は一日に何度も雨が降ったり止んだりする天気と聞いていたのに、この日は雨が降る気配もない。雨男の僕にしては奇跡的だ。抜けるような青空の下、こんなすごい景色を独り占めしながら歩くなんて、贅沢だ。

途中、小さなほこらを見つけた。あとでAlexに聞いたところ、一年ちょっと前にここでポーターが雷に打たれて亡くなったらしい。このあたりはクケナンとロライマがある地形もあり、上昇気流が発生しやすい。たしかにこんな何もない場所で雷が落ちたら、逃げる場所ないよ。

4時間ほど歩いてかなり日が傾いてきた頃リオテック(Rio Tek)に出た。ここもキャンプサイトなのだけど、今日はここに泊まらずこの先の川を渡り、次のキャンプまで行く。ここにはもちろん橋なんてものはなく、靴を脱いで靴下で渡る。サンダルや裸足で川の中を歩くと苔でかなりすべるけど、靴下をはいていると滑りづらく歩きやすいのだ。

リオテックを渡った後、丘の上の教会を通り過ぎる。Windowsのデフォルトになっているスクリーンセーバーのような風景だ。この辺りにも人が住んでいて、街に出る時はみな10何キロも歩いてパライテプイまで行くらしい。すごいな。

さらに別の川リオクケナン(Rio Kukenan)を渡る。こちらのほうは速い流れでかなり怖かった。Alex曰く、夜中に雨が降ることが多くて、そうすると朝方はもっと流れが速くなって渡れないこともあるとか。結局キャンプサイトへはすっかり暗くなってから到着。明日は一気にロライマのてっぺんに登頂だ。

Written by shunsuke

2012年3月14日 at 10:32 PM

カテゴリー: 2011/12 Roraima Trek

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劇団四季「エビータ」千秋楽@自由劇場

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先週末に劇団四季のミュージカル「エビータ」の千秋楽公演を見にいった。2009年6月に異国の丘を見にいって以来、久しぶりのミュージカル。正月にアルゼンチンに住む友人とトレッキングに行き、アルゼンチンにも女性大統領が登場して、どこか頭の片隅にアルゼンチンのことがあった通勤の帰り道に、電車の広告で流れていて即決だった。

マドンナ主演で映画にもなっているので物語はよく知られている。アルゼンチンの片田舎で私生児として生まれ、ブエノスアイレスに出ていき女優、歌手、最後は大統領夫人にまで成り上がるエバ・ペロンの生涯を描いたミュージカル。映画が1996年公開だからもう16年も前になるんだ。今回、映画の中で大統領夫人となったエバが宮殿のバルコニーで歌う”Don’t cry for me Argentina”を聞いてみたけど、16年前に聞いた以上に心に響いてきた。歌詞、彼女の抑揚、見ている者をひきつけさせる歌だ。

 

肝心のミュージカルはというと、進行役のチェ・ゲバラ役の芝清道さんの演技と歌声、そして前編の最後にペロン政権が誕生する際、労働者が立ち上がる場面での”New Argentina”の歌声が圧倒的だった。まさにこれぞライブ!という迫力。一週間経った今でも耳に焼きついている。ただその分、エビータ役の方が15歳から演じるには少し厳しかったけど、帰って調べてみたらもう50過ぎてらっしゃるのね。そりゃ15歳の小娘を演じるのは厳しいわ。

あとこの”Don’t cry for me Argentina”だけは英語の歌詞かスペイン語で聞きたかった。日本で日本の劇団がやすミュージカルなのだから仕方ないのだけど、映画で何回も聞いた後に聞くとちょっとイマイチに感じてしまう。機会があったら英語でのエビータもいつか見てみたい。

「彼女は命を燃やして、人生を駆け抜けた」そんなサブタイトルが付けられているように、彼女は厳しい階級社会のアルゼンチンで恵まれた環境で育ったわけでないのにもかかわらず、わずか33年間で大統領夫人にまで登り詰めた。そして、慈善事業に注力したことから死後半世紀以上が過ぎたいまでもサンタ・エビータと慕われている。なにせセックス・シンボルであったマドンナがエバを演じた時には「マドンナ、帰れ!」とアルゼンチンで顰蹙を買ったくらいだ。今33歳の僕は、くしくも今エバがこの世を去った年と同じだけ生きてきたことになる。それだけの激動の33年間、彼女の生きた時間はきっとものすごいスピードで流れていったんだろう。

アルゼンチンは第二次大戦中に世界一の外貨保有国でありながらも、ペロン政権での工業化の失敗と、バラマキによる福祉政策により1950年以降経済が停滞していった。エバの亭主ペロンの失脚後は、1980年代までクーデターと軍事独裁による混迷が続いていく。クレオパトラの鼻が1cm低かったら歴史は変わっていたと言うけれど、エバがもう少し長生きしていたらアルゼンチンの現代史は違ったものになっていたのだろうか。

Written by shunsuke

2012年3月3日 at 7:28 PM