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Archive for 4月 2012

DAY7 ロライマトレック4日目: てっぺんから下界を望み、感慨にひたる

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最終日の朝、4:50にセットしていた目覚ましで目を覚ます。昨夜台風のように雨と風が打ち付けていたロライマのてっぺんは、不思議なくらい静まり返っている。テントを出て外を見ると風が雲を押しやって頭上には星が瞬いている。これはいい朝日が見れる!僕とGはすっかり興奮してガイドのアレックスを叩き起こす。

「寒いから行きたくない」と駄々をこねるアレックス。おいおい、なんというガイドだ。よく聞くと半そで以外は持っていないとか。それなら寒いのもわかるけど、そうこう言ってられないので、アレックスを引っ張り出し昨日も来た高台へと向かう。昨夜の大雨でいたるところが水たまりになっていたけど、そんなことお構いなしにひざまで水につかりながら進んでいく。次第に明るくなっていく空。きれいに晴れた空を目にして高まる期待。40分ほどで高台に到着。

昨日の夕方ここに来たときもすばらしい景色だったけど、日が昇る少し前のこの時間の風景はまた格別だ。ただの水溜りさえも神秘的な光景に見えてくる。

6時10分頃、地平線を昇ってきた太陽がロライマのてっぺんに顔を出す前に、隣のクケナンの南壁を赤く染め始めた。

興奮気味の我々をよそ目に寒さに耐えるアレックス。この朝も風が強く体感気温は5℃くらい。そりゃ半そで半ズボンは寒いよな。来たくなかった気持ちもわからなくはないが、それが仕事なんだ。もう少し我慢してくれ。

クケナンに当たる朝日に見とれている僕と間逆の方向で、昇り始めた太陽と崖の下から沸きあがってくる雲の動きに夢中になるG。この視界に見えるすべての景色、どこを写真に収めても絵になる。

6時15分、ようやくロライマの頂上を太陽が照らし始めた。これまで暗闇だった世界を強烈に照らす赤道間近の太陽だ。これをここから見たかったんだよ。太陽の光を浴びたとたん、ここから見えるあらゆる景色が変化し始める。

後ろを振り返ると、クケナンに僕らの姿が映っていた。生まれて初めて見たブロッケン。 雲や霧の中に日の光が射しこんだ時に虹のような色をともなって見える。こんな場所で見られるなんて。

30分ほど自然のショーを楽しんだ後、Hotel Californiaに戻りパッキング。今日はこのまま初日に通り過ぎたRio Tekのキャンプサイトまで戻るのだ。名残惜しいけど一日半滞在したロライマとお別れをする。昨日の雨が過ぎ去った快晴の朝、昨日の雨がつくった水たまりも雲ひとつない空も、突き抜けるような青色だ。

下界へと下る道の手前で最後の記念写真。ここから見える景色はほんとに言葉では言い表せないよ。登った者にしかわからない気持ち。ヘリコプターでちょこっと来ただけではこんな気持ちにはならないだろうな。

クケナンのほうを見ると、雨が降った後にしか現れない幻の滝クケナンフォールが見えた!物知りなGによると、世界で5、6番目くらいに落差が大きい滝だとか。

午前8時、いよいよ下りはじめる我々。僕は前日にしこたま打ちつけてずきずき痛む左足をひきずりながら下っていく。おまけに膝を曲げると傷口が開き初めてまた血が出てきた。先行き不安なこと、この上なし。

今から下る道を眺める。憂鬱な気分になるくらい道のりは遠い。

 まずはロライマの壁面に沿った岩だらけの道を下り、3時間半かけてCampament Baseに到着。ちょうどこの日からロライマの頂上で初日の出を見る人たちが頂上に登り始めていて、僕らが登った時には2日間で10人くらいしかすれ違わなかったのにこの日の午前中だけで30人くらいすれ違った。頂上には150人しか泊まることができないように人数制限がされているので、今日からは頂上のホテルはどこも一杯だろうな。こうして下からロライマを見上げると、ついさっきまであの上にいたのが信じられない。

昼ごはんを食べた後、再び黙々と着た道を下り続ける。頂上を目指すという明確な目的のある登りと違って、モチベーションの沸かない下りはいつもながら苦手だ。

それでも時おりすれ違う登山客、ガイドの人たちとの交流で元気が出る。おっちゃんはもうここで35年ずっとポーターをしているんだって。

膝出血事件以来、Gと一緒に僕を”Tonto”と名付けてとても客とは思えない扱いをしてきたガイドのアレックス。コモンウェルズのガイアナ出身の彼はスペイン語よりも英語が得意なので、ゆっくり話をする。アレックスの話によると、今一番の楽しみはこのガイドが終わったら、弟のフェルナンドと一緒にベネズエラの国境近くにあるガイアナの実家に帰ってニューイヤーを過ごすこと。

家族で久々に過ごすニューイヤー、いいね。アレックスによると、ベネズエラから彼の実家がある街は直線距離で50kmくらいなのだけど、道が通じていないらしく公共交通機関もない。じゃどうやって帰るの?と聞くと一言。「二日間歩いて帰るんだよ」

いやいや、参りました。公共交通機関がなかったら歩いて帰る。実にシンプルで、これぞあるべき姿だと思う。彼はそういう文化圏に属している人なんだよね。歩いて帰る、この一言で一気にアレックスのことが好きになった。でもね、アレックス。このバッタはびっくりしたよ。

果てしなく思えた帰り道もアレックスとの会話が弾んだこともあり、気がついたら行きに渡った川、リオテックにたどり着いた。行きはもう暗かったので写真が撮れなかったけど、こんな感じで膝くらいまで水かさのある川を渡っていく。足を滑らせれば荷物がすべて水浸し、そんなスリリングな川渡りだ。

 

ロライマのてっぺんを出発して9時間後、午後5時にようやく本日のキャンプ地リオテックに到着。いやー今日は左ひざが痛いながら20km、よく歩いた。ここにはすでにビールが売られていて、到着したときには一足先にアレックスとGがビールで乾杯していた。遠くロライマのてっぺんを眺めながら、あそこまで行って帰ってきた感慨に浸りつつビールで乾杯。最高の夜だね。

Written by shunsuke

2012年4月10日 at 9:58 PM

カテゴリー: 2011/12 Roraima Trek

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DAY6 ロライマトレック3日目: 20億年前から止まった世界を歩く

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ロライマ山頂、Hotel San Franciscoで迎える三日目。今日は丸一日、ロライマのてっぺんを探検する日だ。頂上と言ってもテーブルマウンテンなので起伏のある土地がずーっと広がっている。このてっぺんにブラジルとガイアナ、ベネズエラの国境も通っていて、そこまで歩いていくと片道4時間かかるらしい。それくらい広いところ。僕らは一日しかてっぺんでの時間がないので皆で相談した結果、三カ国の国境地点にはいかずにキャンプサイト周辺の見所ポイントを回ることにした。

あいにくのガスがかかった天気だけど、ゴアテックスを羽織り出発。昨日もいろいろ奇妙なものを見かけたけど、ここではいたるところに見たことないような動植物を見かける。この植物もランのような葉を持つ不思議な植物だった。ここはまだ人間や恐竜が生まれるずっと前、世界がまだ一つの大陸、パンゲアだった20億年前にできてそれ以来ほとんど変化していない場所。20億年前から時が止まった世界だ。

基本的には黒い岩の上にできた場所なのだけど、ここにはいたるところでクリスタルを見かける。アレックスによるとなんでここにクリスタルがあるのかも、どこからやってきたのかもよくわからないらしい。もちろん国立公園なので観光客は持ち帰り禁止、帰りにしっかりと荷物チェックされるらしい。地元の人はいくらでも持って帰っていいんだとか。

30分くらい歩いて、ロライマの頂上では有名なジャグジーに到着。ちょうど人が入れるくらいの形に岩が削られていてすっぽり水につかることができる。ただ、ここは標高2700m。直接空から落ちてきた水はかなり冷たく水風呂に入っているかのよう。それでも最初の冷たさを我慢して水につかると、意外に気持ちいい上に水から出た後もあまり寒くない。トレッキングの汗もこれですっきりだ。

興奮気味にジャグジーに飛び込むアレックス。

アレックスよりも高く飛んでやるぜ!と一緒にはしゃいで水の中に飛び込んだりしていたら、左ひざを水の中の岩に打ち付けてしまった。案の定大出血・・・アレックスとGは大爆笑、これいこう”El tonto”(間抜け)と呼ばれるようになってしまった。客であるトレッカーをトントって呼ぶなんてなんてガイドだ、まったく。まあ、そんなところが憎めないのだけど。

絆創膏で傷口を応急処置して、昼ごはんを食べにキャンプサイトへ戻る。すると朝方からのガスがすーっと晴れてきれいな青空が見えてきた。ガスの中の光景もよかったけど、太陽が出るとすべての色が生き生きとしてくる。でも周りを見る限り僕らがいる場所は晴れ間が広がっているけど、下界は見下ろせない。どうやらロライマの上の雲は晴れたものの、下にはまだ雲がかかっているようだ。

 

昼ごはんを食べた後、午前中に打ち付けた膝が痛む僕は山頂を散策しに行ったメンバーとは別行動で、キャンプサイトでゆっくりすることにした。ここは常に風が吹いているのですごい速さで雲が流れていく。まるでビデオを早送りしているみたい。ドーナツの形をした雲も、犬のように見える雲もすぐに形を変えて過ぎ去ってしまう。諸行無常だなあ。なんてことを考えながらぼーっと流れる雲を見上げていたら、視線と同じレベルのところに虹が出ていた。

雨のあとは動物も植物もみなうれしそうだ。カエルも幸せそうに葉っぱのベッドの中でお昼寝中。

日が傾きかけた頃、キャンプサイトの近くにあるロライマの山頂で一番高い地点に登ってみる。ややこしいのだけど、平らなてっぺんの上にさらに100mくらいの高さの岩があって、そこからは周りがきれいに見渡せるのだ。富士山で言えば剣が峰か。

20分ほどかけててっぺんまで登ると、そこは予想していたよりもすごい景色。ロライマのてっぺんのようすがよくわかる。平たいてっぺんなのだけど、どこにも真っ平らな土地はない。まるで丸二日くらいつけていた絆創膏をとったあとのふやけた皮膚のようだ。

下界方面を見下ろすも、あいにく雲は晴れず。絶え間なく崖の下から上昇気流が吹き付けていて雲が湧き上がってくる。これもすごい光景だ。

 

このあと、夕暮れをここから見ようと1時間ほど粘るも雲が多くなりあえなく断念。キャンプサイトに戻り夕食の準備をしている間に、雨も降ってきた。夜半には雨は強くなり風もびゅうびゅう吹き始めまるで嵐のような天気に。明日は下界に戻らなきゃいけないので、何とか朝日が見られるといいな。

Written by shunsuke

2012年4月6日 at 11:29 AM

カテゴリー: 2011/12 Roraima Trek

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