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DAY2:新しさと古いものが同居する街、バクー

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昨夜遅くに到着したこともあって、朝はゆっくり8時過ぎに起床。外に出ると真夏のような日差しがすでにギラギラと照りつけていた。旅の始まりを祝うかのようないい天気だ。

この日は一日バクーに滞在して夜の夜行列車で隣グルジアのトビリシへと向かう。まずは鉄道駅に行き寝台列車のチケットを買いに行く。ここ旧市街のイチャリ・シャヘルから鉄道駅まで地下鉄がつながっていて一本で行くことができる。

ソ連時代の1960年代につくられた地下鉄。去年ウズベキスタンで見たのと同じく深い場所までエスカレータで下りていく、旧ソ連圏ではオア馴染みのやつだ。旧ソ連圏でソ連時代のことは悪く言われることが多いけど、ロシア語という共通言語で教育を広げたことと、この地下鉄のようにインフラを各地の中核都市に広めたこと。この二つは大きな恩恵として影響を残している。旧ソ連圏を訪れるたびにどこでもロシア語は通じるし、ソ連時代に整備された地下鉄はどこでも今も現役で使われている。バンコクやジャカルタなどアジア各国がモータリゼーションの爆発に気がついた後ようやく公共鉄道の整備に手をかけたのとことなりはじめから地下鉄が整備されていたこれらの町では渋滞が少なかったり、都市計画が立てやすかったりするんじゃないかな。もちろん負の遺産も多かったけど。

さて、無事に駅でチケットを購入してイチャリ・シャヘルに戻り、ゆっくりと周囲1kmほどの旧市街を歩いてみる。古い建物は古いまま保存されていて、その上にほどよく補修や新しく手が加えられている。広場では老人がお茶をすすりながら世間話に花を咲かし、路地では子どもたちがサッカーボールを追いかける。古すぎもせず、中国にある観光用の古い町並みでもなく、ちょうどよく生活感がある旧市街だ。こんな街の雰囲気、好きだなあ。

しばらく旧市街を道なりに歩いていると、小麦の香ばしいかおりが漂ってきた。元をたどっていくと、カフェの前で炭火でナンが焼かれている。ああ、小麦の文化圏に来たんだなあ。

こんな風に目の前で焼きたてのナンが振舞われているから、思わず店に入ってしまった。ナンにジャム、それにヨーグルトの朝ごはんをいただく。シンプルだけどナンが抜群においしくて、それだけで幸せになる。おばちゃん、ありがとー。

食後にチャイでも飲みたいなーとカフェを探して歩く。道で暇そうにしていたおっちゃんにいいカフェない?と聞いてみると「おージャパニ、チャイ飲んでけ」と彼が経営しているみやげ屋に連れていかれた。みやげ物も見られるし、チャイも出してくれるからちょうどいいか。

ここイチャリ・シャヘルから道を挟んだ向こう側はすぐカスピ海だ。カスピ海沿いはきれいに整備されていて、オフィス街をバックに若者が湖岸沿いに腰掛けて休日を過ごしている。日本で言うと横浜の山下公園のような雰囲気かな。それにしてもみなムスリムのはずだけど、女性は誰もスカーフをせず、人目を気にせず肩を抱き合っている。

ここバクーは紀元前より油田で知られ、帝政ロシア時代に開発が本格化していった。ダイナマイトを発明したノーベルが開発に携わり、1900年頃には世界の石油産出量の半分はバクーだったという。今でもカスピ海沖で原油が生産されて、伊藤忠などが出資しているパイプラインを通じてグルジア、トルコに運ばれている。

近年の原油価格上昇でアゼルバイジャンも大きな恩恵を受け、バクーの街は活況に沸いていた。石畳の町並みが残る旧市街の横で先鋭的なビルが建てられ、昼休みにはビルから出てきたビジネスマンが石畳の上を闊歩していた。建物のデザインやキンキラキンのライトアップが成金的、バブリーでわかりやすい。

そんな古いものと新しいものが同居する町、バクー。地域の中心都市としてヨーロッパ各国やアラブ各国から直行便が飛び、アラブのポップスターはドバイとイスタンブール、そしてバクーは必ずツアーで寄るようになっているらしい。イスラム圏であるけどアラブでない、ヨーロッパとアラブをつなぐ貴重な窓口なのかもしれない。一日だけの滞在だったけど、首都に限って言えばスカーフをしている女性もほとんどおらずモスクも見当たらず、街中にアザーンが響くこともなかった。そんな新しいものと古いもの、西洋とイスラムが同居する不思議で魅力的な街、バクー。これからも古いものを大切にしながらどんどん魅力的な街になっていってほしい。

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Written by shunsuke

2012年7月31日 @ 3:06 AM

カテゴリー: 2012/05 Caucasus

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