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Archive for 3月 2008

チベット

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チベットで混乱が続いている。

【北京17日時事】中国チベット自治区のシャンパ・プンツォク主席は17日、北京で緊急記者会見を開き、ラサの暴動による死者が13人に増えたことを明らかにした。いずれも放火による焼死か刺殺された市民で、武装警察側は「死者を出すような武器は用いていない」として、鎮圧のために武力を行使した事実はないと強調した。同主席は、ほかに警官61人が負傷し、うち6人が重傷だと述べた。

政府側は13人死亡と言っているということは、実際は20倍の260人くらいは死んでいる可能性が高い。いや100倍でもおかしくない。「鎮圧のために武力を行使した事実はない」というのは翻訳すると「鎮圧のためでなく、抹殺するためには武力を行使している」との意味だろう。いかにも中国らしい。

20歳の時に初めて一人で日本を飛び出した時にたどりついたのがチベットだった。人を寄せ付けない厳かな雪山と、素朴で温かい人たち。10年前、真冬の凍った道をラサからネパール国境まで一緒に旅をした彼はどうしているのだろうか?雲南民族学院で学んでいた時、一緒にサッカーしていた彼らもデモに参加したのだろうか?留学後にカムとアムドを旅したとき、バスのない道端でヒッチハイクしている僕を拾い、金を払おうとすると「そんなのいらないよ。チベット人と日本人は親戚みたいなもんだ」と言ってハグして別れた彼は無事だろうか?

悲しいことに今の世界でどんなにチベット人が一丸となっても、今の中国を敵に回してダライラマを支持するような国家はないだろう。そして中国政府もそのことをよーく理解している。こういう時の中国は怜悧かつ狡猾だ。そんな絶望的な状況の中、立ち上がったチベタンの誇りと尊厳が失われないことを心から祈る。

Written by shunsuke

2008年3月18日 at 12:07 午前

春を求めて

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早くも三月、今年はここ数年になく寒い日が続いている。そんな中一足早い春を求めて、伊豆河津へ桜を見に出かけた。

初日は伊豆高原の「月宿 楽」に泊まる。店主に聞いたところ、2007年5月に他の場所でペンションを開いていたご夫婦が場所を移して始めたとのこと。これが三軒目のペンションということもあり、部屋、そして食事のすべてにおいてかゆいところに手が届いていた。

 
とりわけご主人の出すイタリアンベースの料理は完成度が高く、これが独学というのだからびっくり!。おからとパプリカから伊豆近海の金目鯛までびっくりさせられっぱなしだった。つまりは、おいしい料理を食べてふかふかのベッドで疲れをとって最高に幸せなわけです。人気が出るのも納得な宿。
 
 
二日目は渋滞の中河津桜を見に伊豆半島を南下。伊豆は不思議な地形だ。平野部がほとんどなく、海沿いまで山がせり出しており起伏の激しい道が続く。だけれども海岸線から山を登っていくと、山間部に以外と平坦な土地があったりする。もともと本州と違いフィリピン海プレートの上にあり、本州とぶつかってできた経緯があるから地形が独特なことも必然なのかもしれない。
 
そんなアップダウンの激しい道を一時間ほど下って着いた河津は、想像していたよりも多くの人でにぎわっていた。ソメイヨシノよりもちょっぴり濃い目の桃色の花びらが、淡色が多い自然の中で菜の花とともにひときわ鮮やかに映えている。ちょうど水彩画で絵の具を一回上塗りした、そんな桜が川沿いに並ぶ道沿いを人々が思い思いに花を眺め歩いている。茶色の木々と白い雲を背景にしてはらはらと散っていく河津桜を眺めている時、ふと心との奥底からなんともいえぬ感情がこみ上げてきた。なんて美しいんだろう。
 
 
花を見て美しいと思うようになったのは、25歳を過ぎてくらいからだろうか。それまでは人々が花見をすることが不思議に思うくらいだったが、度々日本を離れるようになってから、とりわけ桜の花に対して美しさとともに懐かしさを感じるようになった気がする。週末ちょっと足を伸ばすだけでそんな美しい景色に出会える、そんな国に生まれ育ったことに改めて感謝。

Written by shunsuke

2008年3月6日 at 12:27 午前

カテゴリー: 旅行