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Archive for 8月 2009

え?南寧で久保田の万寿が飲めちゃうんですか?

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「友だちがねー、日本食レストランを開いたんだよ。行ってみない?」先週木曜日の夜に、地元の友人に前から聞いていた日本食レストランに行ってきた。
 
ここ南寧でも日本食はかなり人気があって、友人によると市内には20-30軒くらいの日本料理屋があるらしい。だけど容易に想像がつくとおり、ホンモノにはほどとおいモノが出てくることがほとんど。なので、今回もそれほど期待せずに行ってみた。
 
ところがどっこい。うまい、うますぎる。店の雰囲気といい、味といい日本そのもの。専用貨物で届けているという魚も、串焼きも、鉄板焼きもどれも文句のつけようがない。
 
北京、上海、広州でそれなりに日本食は食べたけど、そのどこよりもうまい。こんな本格的な日本食が南寧で、しかもそのへんの中国的日本料理屋よりもよっぽど安い値段で食べられるなんてぶったまげた。
 
ということで、早速二日後の土曜日の昼、カメラを持ってランチに行ってきた。店はまさに和風ダイニング。なんかちょっとズレている内装の店がほとんどの中、木をふんだんに使ったインテリアは本格的。
 
 
店内は広く、テーブル席、鉄板焼きのカウンター、そして回転寿司もある。寿司カウンターにテレビがあるのはご愛嬌。オーナーはアメリカでMBAをとってきた北京の人で、徹底的に日本料理を食べまくって、内装も研究してきたとか。
 
 
店の奥にはこんな掘りごたつの個室も。南寧でこんな店ができるなんて!すだれが憎たらしい。
 

 
この日のランチはしょうが焼き定食、28元。まるで筑波の定食屋で食べているようなしょうが焼きに感動。そしてごはんも、みそ汁も、日本の味。米粒がうまいなあ。
 
 
食後にデザート。グリルドバナナのアイスクリーム添え。上からチョコレートソースまでかかっちゃって、どこのビストロですか!またテーブルのライティングもいい感じ。
 

憎たらしいことに鉄板焼きコーナーには美女ぞろい。「ほら、そのほうが男性客喜ぶでしょ」とオーナー。ま、そのとおりなんだけど。極めつけはメニューにあった「久保田万寿」。一升で三万円弱。輸入したらそのくらいになるのは仕方ない。そのうち忘年会でぜひ飲もう。

ビール飲んで、定食食べて、デザート頼んで一人55元(800円)。他だったら100元くらいはする。うまくて安くて雰囲気もいい、なんてすばらしいんだ。これまで日本食を食べたいという友人にここだったら胸を張ってこれが日本料理だよって薦められる。今から次に何を食べようか楽しみだ。

Written by shunsuke

2009年8月31日 at 5:43 午前

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投票ができない

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今朝、二か月がかりでようやく家にネットがつながった。そして今日は衆議院選挙。だけど僕は中国では投票ができない。
 
国外に住んでいる場合でも在外投票制度があって投票できるのだけど、そのためには事前に「在外選挙人登録」を済ませて「在外選挙人証」を手に入れなくてはいけない。そして申請してから2か月くらいして晴れて「在外選挙人証」を手に入れることができる。
 
今年の7月に千葉市に転出届を出して中国にやってきたんですけど、この場合どうなんでるんですかねー?先日、広州の領事館にそう聞いてみたところ、「こちらに来て三ヶ月経ってない上、今からだと在外選挙人登録が間に合わないので、日本に戻って千葉市の選挙管理委員会に聞いてみるしかないですね」との返事。
 
おいおい、日本に戻らなきゃ投票できないのかよ。
 
日本の場合、2000年にようやく在外での投票が開始されたできるようになったわけで、それ以前と比べるとまだ投票できるだけマシなのかもしれない。そして日本国内でも、選挙の三か月前に住民票登録を済ませないとその選挙区では投票できない仕組みになっている。
 
つまり、タイミングが悪かったということか。そういう意味では、仕方ないとは思うのだけどなんかすっきりしない。
 
まあ、7月2日に着いてすぐに選挙人登録をしなかった僕の怠慢といえばそれまでなのだけど、国民としての意思を政治に直接反映させることのできる唯一の場なのだから、転勤などやむを得ない理由で海外に在住している場合はもう少し配慮してほしい。これってわがまま?

Written by shunsuke

2009年8月30日 at 1:12 午後

カテゴリー: 南寧での生活

デジカメをなくした

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デジカメがない。先週金曜日に出張に持っていって、その出張先でつぶれて以来デジカメが見当たらない。
 
2007年の12月に買っていつも持ち歩いていたニコンP5100。持ちやすくて、結構しっかり撮れるのに小さくて、すごく気に入っていたのに見当たらない。
 
引越ししたての家の中や、会社、車の中も何度も何度も探したのに見当たらない。もしかしたら出張先から帰る途中によった植林地でベロベロになりながら写真をとった時、落としたのかもしれない。
 
よくモノをなくす僕だけど、ここしばらくは何もなくしていなくて油断していた。ああ、ショック。金銭的にもそうだけど、精神的に落ち込むなあ。ひょこっとどこからから出てこないかな。
 
今日の一冊:杉本信行「大地の咆哮」 
元上海総領事の著者が末期がんに冒された病床で書いた遺作。ずっと気になっていながらようやく手にすることができた。30年間、対中外交に文字どおり命を賭けてきた作者の言葉は重く、遺書ともいえるメッセージに心揺さぶられるものがあった。中国にかかわる人は必読。

Written by shunsuke

2009年8月25日 at 9:05 午後

カテゴリー: 南寧での生活

ヤンリーピン「云南的响声」@南寧劇場

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楊麗萍(ヤンリーピン)。中国人だったら知らない人がいない(と宣伝文句でうたわれる)くらい有名なダンサー。雲南の白族である彼女は、80年代から中国のトップダンサーとして活躍し、近年は雲南の少数民族の伝統文化をミュージカルにして世界各地で公演している。

実は去年の春に来日公演があったのだけど、気がついたのが遅くて満席でとれずに悔しい思いをしていた。で、南寧に来て部屋探しをしていたある日のこと。不動産屋に連れられて見に行ったマンションでたまたま彼女が南寧で公演することを知り、すぐに予約。昨日の夜に一年半越しの願いがかない、舞台「雲南的響音」を見に行ってきた。

舞台はすばらしいの一言。命の誕生、死、雨乞いの祈り、自然の息づかい、そして収穫の後の酒盛り。雲南に住む少数民族の生活のひとこまひとこまを、舞踊と音楽で芸術にしてしまっている。踊りの技術的なことは僕はわからない。だけど「舞踊とは天や地、神や自然と交流するためのものである」と話す彼女自身の言葉とおり、踊る姿は鳥肌が立つほど力強く神々しかった。

そして「雲南的響音」との名のとおり、舞台の中で奏でられる音がまたすごい。ある時は米つぶで雨の音を再現し、ある時は竹をそのまま笛にしてしまう。舞台で使われていた道具のほとんどが、実際に彼女が村々を回って集めたらしい。その一部がロビーに展示されていたのだけれど、どれも大木を切り抜いて作ってあって年月がにじみ出ていた。

中国でもめったに見られない彼女の舞台ということもあって、劇場は満席。ただ残念なことに、本当に残念なことに観客がひどかった。舞台が始まってもみな普通にしゃべってるし、赤ちゃんは鳴くし、携帯は鳴り響く。

一番ひどかったのが、かなりの人が勝手に写真を撮っていたこと。「撮影厳禁」とアナウンスされてチケットに書いてあるのに、フラッシュばしばしたいて写真をとりまくっていた。カメラ向けている人に係員が注意するといったんやめるのだけど、係員がいなくなるとすぐにまた写真撮影する。

客席がにぎやかなのは国民性として我慢できる。まあ赤ちゃんも仕方ない。でも携帯と写真、とくにフラッシュは舞台に対して失礼極まりないんじゃないか。神経集中している時にフラッシュたかれる身になってみろよ。モラル云々というよりも、芸術に対する敬意をまったく感じられない行為にあきれるのを通り越して悲しかった。

弁護するならば、観客全員がそのようなことをしていたわけではないこと。一緒に行った友人は他の客の行為に対して嘆いていたし、眉をしかめている客も半分くらいはいたと思う。

そしてこれは僕の憶測になるのだけど、客層を見る限り一階席で最低680元(一万円弱)という高額のチケットを払って見に来るような人たちには思えなかった。チケットが売れなかったから主催者側が配って普段舞台やライブを見る機会のない人がたくさん見に来ていたのかもしれない。それだったらまあ仕方ないのかな。

救いはダンサーたちが悪条件にもかかわらずすばらしいパフォーマンスを見せてくれたこと。普段から鍛えられているのだろうけど、それがせめてもの救いだった。

今日の一冊:西木和明「夢顔さんによろしく」

劇団四季「異国の丘」の原作。戦後抑留先のシベリアで亡くなった近衛文麿の息子、近衛文隆の物語。脚色されていると思うけど、どんな時代でも人を動かすのは情熱なんだろうな。ミュージカルを見て結末は知っているのに、久々に読み始めたらとまらなかった。

Written by shunsuke

2009年8月24日 at 6:33 午後

カテゴリー: エンターテイメント

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そばとお酒とゴーギャン展

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日本から中国に戻ってきて一週間ちょっと。ようやく引越しも終わり生活が落ち着いてきました。整理できずにたまっていたデジカメの写真を眺めていたら、一時帰国の時にとった写真がおもむろに出てきた。仕事の合間に筑波で食べたきなこもち、うまかったなあ。
 
 
同じく筑波のそば屋で。ゐだには行く時間がなかったけど、ここのそばもおいしかった。どんな素材もあの手この手を尽くしておいしくしてしまう中華料理の味付けはすごい。ただ、こういう素材のよさをそのまま活かした料理、中国にはまずないなあ。 
 
 
しんばし光寿で飲んだ高知の日本酒「南」、おいしかった。実は南寧でも日本盛は手に入るのだけど、同じ日本酒とはいえちょっと比べ物にならない。白酒もちびりちびり飲むのでよければ、まだ飲めるんだけどね。
 
 
なんだか食べてばかりだけど、「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」、教科書で一回は見たことのある名作が日本初来日!ってことで日本滞在の最終日にはゴーギャン展を見に竹橋の国立近代美術館まで行ってきた。
 
 
ゴーギャンって、大きい足で大地にどしーんと根ざしているタヒチの女性たちを描いた絵しか見たことがなかったけど、もともと印象派だったんだね。年を重ねていくにつれてどんどんタッチが変化していく絵を見て、手探りで自分の生き方を模索していったのが伝わってきた。
 
若い愛人を孕ましたままタヒチへ行ったり、13歳の愛人を作っちゃったり、おそらく欠点もたくさんあった人だったんだと思う。でも、喜び、悲しみ、苦悩を伝えてくるこの絵を見ていると、そんな欠点なんてどうでもよくなってしまうよ。「我々は~」は圧巻の一言。思わず15分くらいぼーっとみとれて曼荼羅、輪廻転生を感じました。
 
見終わったあと、美術館の前で「ゴーギャンバス」がお出迎え。ドライバーの方が皇居のプチガイドもしてくれてとても感じがよかった。タダだけどこういう細かい心配りができる。ああ、日本を感じるなあ。そんな最後に心がほんわかとした日本滞在だった。
 

Written by shunsuke

2009年8月17日 at 8:44 午後

香港経由で一時帰国

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中国でのビザに不具合があって、赴任早々一時帰国するはめになってしまった。仕事が詰まっていてほとんど日本で時間がないのだけど、盛大に送り出してもらったのに一ヶ月で帰ってくるのはなんだかちょっと肩身が狭い。
 
今回は飛行機の接続と中国に戻った後の仕事の関係で香港経由。南寧から香港へはほとんど飛行機が飛んでおらず、深圳行きも午後便しかないため、広州の空港から香港まで初めて陸路で行ってみた。ちょっぴり旅行気分でこんな感じ。
 
南寧/0800-広州/0855(ZH:1時間)
広州空港-広州東駅(タクシー:40分)
広州東駅-香港(ホンハム駅)(MTR:2時間)
ホンハム駅-九龍駅(タクシー:15分)
九龍駅-香港空港(機場快線:25分)
香港/1610-成田/2125(CX)
 
朝8時の便で南寧を経ち、一時間後の9時ちょうどに広州到着。この後、広州東駅まで移動してMTRの香港行き直通電車に乗る予定なのだけど、広州東駅の発車時間が10:39。これを逃すと次は12:12発になるので、ここが今回最大のボトルネック。
 
飛行機が着陸して一時間半で駅まで行けるかなー、早く荷物が出てこないかなーと祈りながら荷物受け取りのコンベアに向かうと、なんともうすでに僕のトランクが出てきていた。人より荷物が早いって、すばらしき広州白雲空港。
 
広州の空港から広州東駅まではタクシー飛ばしてちょうど40分、10時ちょっと過ぎに広州東駅に到着。案内にしたがって2階でチケットを買い、エスカレータで出発ロビーに向かう。
 
 
香港への直通列車「広九直通車」は出発前に出国審査があるため、エスカレータより先は列車に乗る人しか行けなくなっていた。ちなみに大陸に住む中国人が香港に行くのには、香港から出国の場合は第三国のビザが、中国との往復の場合は通行証が必要になる。
 
列車はしごく快適で、いつの間にか香港に入り、時間通りにホンハム駅に到着。駅を降りてタクシーに乗ろうとしたら、タクシー乗り場で法輪功の横断幕が迎えてくれた。「共産党がなくなって初めて新しい中国ができる」これは過激な・・・
 
 
何がいい、何が悪いということは外国人である僕には判断することは難しい。だけど、相手が権力であってもそれに対して反対意見を表明する、抗議する自由と権利はあるべきだと思う。香港が中国に返還されて12年。いろいろ変化はあったと思うけど、まだ大陸よりかは思想と言論の自由はあるみたいで、なんだかほっとした。
 
タクシーは海沿いを走り、九龍駅に到着。この九龍駅から空港までエアポートエクスプレスが出ているのだけど、これがすごい。搭乗一時間半前だったら駅でチェックインと荷物を預けることができる。カウンターがずらりと並ぶ景色、空港のカウンターにしか見えない。
 

13:30、無事にチェックイン完了。広州の空港に着いてから4時間半で香港まで来れたことになる。次回の参考になるな。荷物も預けほっと一息。駅に隣接している雰囲気が丸ビルみたいな建物のレストラン街で一人で入れそうな店を見つけて遅い昼食。

 
揚げまんじゅうとチャーハンのランチにデザート頼んで100香港ドルちょっと(1,200円)。この上品な味、残念ながら南寧にはない。レストランのウェイターは目が合えばすぐ気がついてくれるし、お茶が減っていたらすぐにたてくれるし、やっぱり南寧と比べたら洗練されているなあ。

Written by shunsuke

2009年8月8日 at 12:58 午前

カテゴリー: 旅行