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Archive for 7月 2011

ヤン・リーピン「クラナゾ」@bunkamuraオーチャードホール

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ずいぶん時間がたってしまったけど、4月6日に渋谷bunkamuraにヤンリーピンの新作「クラナゾ」を見にいった。

こちらの舞台、中国語で「藏谜」。その名の通りチベットの文化に焦点を当てた舞台で、08年、10年と雲南の各少数民族の文化を詰め込んだ「シャングリラ(云南影响)」で来日して以来ヤンリーピン三度目の来日公演だった。雲南出身の彼女の活動は僕が昆明にいた頃から話には聞いていたのだけど、初めて彼女の舞台を見ることができたのは2009年の南寧でのこと。その時は、踊りの美しさに鳥肌がたったものだった。

ヤンリーピン「云南的响声」@南寧劇場

これまでも彼女は実際に少数民族の村々を回り、そこで踊りのうまい若者をスカウトして劇団をつくってきた。今回の演目にあたり、彼女はチベットを歩き回りチベット族の若者をスカウトしていったという。そうすることで、踊りの中に詰め込まれた文化や代々受け継がれてきた伝統が消えることなく価値を持つものとして民族のものとして残されていく。「どうしたら少数民族の文化が受け継がれていくことができるのか」そう考え続けた彼女がたどりついた答えだ。すごいのは、ヤンリーピン自身が私財を投じて劇団を経営していること。そしてダンサーかつ、演出家かつ、プロデューサー。53歳を迎えた今年もまだ世界を回りながら現役で踊り続けている、そんな雲南の誇りなんです。

今回の踊りの演目もすべて生活の営みの中の一こまを切り取って、それを舞台に仕上げている。農作業で畑を耕したりヤクを追うしぐさ、水を汲み酒を飲み干す動作、そして祈り。彼女の手にかかると生活のあらゆる場面が踊りになってしまう。

一つひとつの踊りはチベタンらしく舞台の床が抜けるかのような力強さと躍動感にあふれていてすばらしい。そしてそれ以上に信仰の中に生き、輪廻転生で世界が成り立っているチベットの世界観を舞台の演目としてよくつくりあげたと思う。チベットのことを知らなくても踊りで楽しむことができるけど、チベットのことを知っているとこの舞台はもっと奥深いものになる。すごいよ。言葉は半分くらい漢語だったのでそれも楽だった。

今回は公演前に東日本大震災が起きて、率直なところ公演はキャンセルになるんだろうなと思っていた。客席はこの時期にもかかわらず満席。いや、こんな時期だからこそみんな心を震わせるものを求めているんだろう。4分の3が年配の人だったけど。

公演後に彼女が舞台で述べた言葉がとても印象的だった。「三年前の地震でチベットは大きな傷を負った。だけど同時に日本をはじめとして多くの人からたくさんの勇気をもらった。今度は私たちが日本の皆さんに勇気を与える番。地震が起きて日本の多くの人が困難な状況にある今だからこそ私たちは行かなくてはいけない。それが私たちの使命だと思ってここにやってきました」この言葉には不覚ながら泣いてしまった。地震以来涙もろくなってるなあ。

丽萍,来てくれてありがとう。我们都激动你们的演出。你表演的确给我们了勇气。

彼女の踊りはYou tubeにものっているので、見たことない方はぜひ。

孔雀の舞

月光

Written by shunsuke

2011年7月30日 at 4:42 午前

カテゴリー: エンターテイメント

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2011年上半期を振り返って

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今年もあっという間に半分が過ぎた。油断していると抱負をつぶやいたことすら忘れてしまうので、このあたりで今年の年初に書いた抱負がどのくらい達成できているのか振り返ってみようと思います。そういえば年初にはこんなことを書いていた。

2011年の抱負

1. 10年後、20年後の自分の理想に近づけるような一年にする。

達成度:30/100

急転直下で東京に戻ってきたこともあり、今年前半時間をかけてゆっくり自分のこれまでを振り返り、これからを考えることができた。まだまだ考えている段階だけれど、少しは先のことをイメージできるようになってきてはいると思う。だけどイメージはあるものの、実際インプットされてきているものを処理するだけで手一杯で、それをまだまだ具現化できていないなあ。それでも、これまでなかったような新しい人とのつながりが増えていったのはうれしいことだね。そこは周りの友人と東京という環境に感謝。

2. 体重をベスト体重に戻す。ベストの65kgまで体重を落とし、キープする。

達成度:60/100

1月の時点73kg、現在69kg。我ながら順調に来ている。悩みは体重は落ちているもののあまり脂肪が落ちたように見えないことか。これは困る。ただ体重を減らすだけじゃなくて少しは引き締めないと、身も心も。

3. フルマラソンもしくは6,000m級の山に登る。

達成度:50/100

先日、12月4日のシンガポールマラソンにエントリーした。問題は実際のところ、これまであまりトレーニングできていないこと。だめじゃん。目標ができると自然にそれに向けて走るようになるかと思ってとりあえずエントリーしてみたけど、そううまくはいかないみたいだ。あと4ヶ月弱。それまでに一回どこかでハーフマラソンあたりを走ってフルマラソンに望みたい。

Written by shunsuke

2011年7月19日 at 10:51 午後

カテゴリー: 自分のこととまわりのこと

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僕は守りに入っていないか?

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5月、6月、7月と立て続けに3人の結婚式に出席した。

学校の友人だったり、旅先で出会って仲良くなった友人だったり、中国で出会った人だったり。3回の結婚式ともに、新郎新婦と同じ組織に属していたわけではなく個人的につながっていたので、出席者にほとんど知り合いがいない結婚式だった。

こういう式って困る。もともと知り合いがいないところに一人で乗り込んでいくのは勇気がいる。今日の服、変に思われていないかな?場違いじゃないかな?そんな不安を抱えながら行かなくてはいけないので、行く前は憂鬱になる。そんな風に見えないと言われるかもしれないが、実際そうなのだ。会場に入る時とか緊張するし、ウェイティングルームで話す人がいないとさびしいので、時間ぎりぎりに行ったりもする。

ただ今回3回の式ともに幸運だったのは、同じテーブルにとても魅力的な人がいたことだ。この年になると自分が好きな人、もっと話したいと思う人って、一言二言会話を交わせばなんとなくわかるもんだ。波長があうというか、うまがあうというか。こいつ面白いな、そう感じる新しい縁が毎回あることは幸せなことだ。

そんな出会いのたびに東京って人が集まっているんだなということを強く感じる。南寧にいた頃は同世代の日本人なんて僕も入れて4,5人くらいしかいなかった。南寧の例は極端すぎるけど、日本の中だけに限っても東京だと他の地域に比べて幅広い人に出会える気がする。同世代の刺激的な人に飛行機に乗っていかなくても会いに行くことができる。これはすばらしい。

結婚式で会っても接点がなければその場かぎりになってしまうことが多いと思う。せっかく東京にいるのだから、せっかく刺激的な人との出会いがあるのだから、東京にいられる間にその場かぎりでなくどんなに薄くてもいいからつながりを持って、刺激をあげたりもらったりすることのできる関係を築いていきたい。

まずは、相手からもそう思ってもらえるよう、アンテナを張って日々を生きていかないと。

Written by shunsuke

2011年7月11日 at 2:04 午前