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Archive for 12月 2011

あなたは部品ですか?それとも人間ですか?

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今年で社会人6年目、つい先日12月1日付でまた新たな辞令が出て、研修も含めると6回目の部署異動になった。6年目ともなれば、会社の体質がわかってきて、できることとできないことがはっきりとわかってくる。特に去年の後半から歯車がうまく回らなくなっていて、今年の秋にはもどかしさが頂点に達していた。そんな時に、池井戸潤さんの「鉄の骨」を読んだ。

ゼネコンの建設現場から談合の現場に異動になり、自分の理想を抱きつつも業界の現実を知らされ、理想と現実の狭間で揺れ動く主人公。主人公の彼女が、同じ職場の先輩に惹かれていく姿も含めてまるで少し前の自分を見ているかのような話だった。心の弱いところをほじくり返される、そんな感じ。そんな話の中、主人公の同僚が吐いたこのセリフがぐさっと心に刺さった。

「サラリーマンは部品だ。だけど、単なる部品じゃない。同時に私たちは人間だ。サラリーマンである以前に人間なんだ」その通り。組織としての論理や理屈も大切だけど、それ以前に感情を持った人間として関わる人と接していきたい。人間としての尊厳と矜持を大切にしていくことができる人、組織と共にワクワクする時間を共有していきたい。この言葉で、自分の中で大切なものの位置づけがはっきりした気がした。大げさかもしれないけど、すっと肩の荷が降りた気がしたんだ。

この言葉を心に留めながら、来年はそろそろ仕事で目に見える形で結果を残していきたい。貪欲に言うべきことは言い、周到に準備をし、何とか頭の中で描いたことを実現させたい。会社のお金と名前を使って自分がやってみたいなと感じたことを形にする、僕はそのためにサラリーマンになったんだ。

「何のために仕事しているんだろう?」そう悩んでいるアナタ、「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「下町ロケット」大企業に立ち向かうサラリーマン三部作、おすすめです。

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Written by shunsuke

2011年12月24日 at 10:56 AM

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DAY9: 言葉と態度からにじみ出る品の良さ

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アフリカを離れる朝、7時台の飛行機に乗るため4:15に起床する。5時に来るように事前にタクシーを呼んでおいたのだけど、しっかり時間通りにやってきてスムーズに空港へ向かうことができた。ちらっと旅行に来たくらいではわからないけれど、今回の旅行を通じてツアーや車の手配でいラッとすることがまったくなかった。アフリカ南部の英語圏は欧米のツーリストが多いこともあるだろうけど、観光業に限ればそれだけしっかりマネジメントされているんだろうな。

最後の日も雲ひとつない快晴の青空。チェックインで1時間くらいかかったけど無事にナミビアを出発してヨハネスブルクに向かう。

ヨハネスブルクでシンガポール経由で帰るLと別れ、僕はバンコクへ向かう。世界一危険な街、ヨハネスブルクは空港を降りずに終わったけど、仕事でも深いかかわりがある国なのでまた来ることもあるだろうな。空港でワールドカップ時に注目されたブブセラといまだにシンボルとなっているマンデラさんが印象に残った。

バンコクへ向かう機内で隣に上品そうな白人の老夫婦が座っていたのでゆっくり話をすると、退職記念に40年ぶりにタイを訪れる途中だった。新婚だった今から40年前に船でタイ、香港、日本へ訪れたという。その時に訪れた国々の風景や人々との思い出を、特に京都の寺と山の独特な美しさを今見てきた景色かのように語ってくれたのがうれしかった。何十年経っても色あせないそんな思い出を持っていられるのって、素敵だな。

二人と話していて強く感じたのが話す英語の丁寧さ。乗務員に対しても目を見て”Thank you”と一言ひとこと心を込めて伝えていたのが印象的だった。ずっと工務店で働いてきた旦那さんと中学の先生をしていた奥さん、特にお金をたくさん持っているわけでもとびきりの教育を受けたわけでもない。だけど、二人の態度や言葉からにじみ出てくる品の良さって、心に残るもんなんだね。きっと多くの出会う人たちにさわやかな印象を残していくんだろうな。僕はとても短気で、急いでいる時やイライラしている時、すぐに語気が荒くなってしまう。すぐにはなれないと思うけど、この二人のように相手を気遣う余裕を持てるようになりたい。

今回久しぶりにタイ航空に乗ったけど、ごはんはやはりおいしい。特に南国だけあってフルーツが充実していて心地よいフライトだった。

Written by shunsuke

2011年12月23日 at 4:29 PM

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DAY8: Deadvlei、再び

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午前4時30分、再びDeadvleiを見にいくべく昨日よりも30分早く起き、一路60km離れた国立公園の入口に向かう。今日も快晴、絶好の天気だけどなかなかゲートが開かない・・・車を借りてテントを持ち込めば国立公園の中で寝泊りできるらしい。そうするしかないのかな。

日の出のちょっと前にゲートが開き、一目散でDeadvleiを目指す。昨日と全く同じ道のりなので、風景の姿かたちは変わらないのだけど、時間が早い分朝日を浴びた砂の色が違う。じっと見ていると引き込まれていきそうな赤色だ。

何とか太陽が高く昇りきる前にDeadvleiに到着。今日は無風だった昨日とは異なりかなり風が強く雲も多い。強い風で砂が舞い上がっているのがよくわかる。Big Daddyに登るのが今日でなくてよかった。

Deadvleiに向かう先客の二人組。砂の壁に向かって手をつないで歩いていく後姿が素敵。とても絵になった。

肝心のDeadvleiはというと、太陽が高くなりすぎていて、赤い砂の斜面だけでなく白い粘土質のところにもすっかり日が当たっていてしまっていた。水蒸気が蒸発していく明け方の一瞬しか、National Geographicに出ていたような景色は見られないんだね。残念。

それでも強い風で白い砂が舞っていて、またそれはそれで白黒の不思議な光景を見ることができた。風が強く吹いたり、太陽の傾きが違ったり少しでも自然条件が違うだけでまったく異なる表情を見せる。当たり前のことだけど、一秒たりともまったく同じ景色はない。大自然の不思議だ。1万円払って早起きしてきてよかったな。

風に乗って砂が飛んでくる中レンズを守り、30分ほど最後のSossusvlei を見納めて帰路に着く。いつかまたこの場所に来ることがあったら、次は必ず国立公園の中に泊まって太陽が出る前にこの場所にやってきたい。

この日は午後にウィントフックまで戻るのでまた2時間ほどかけて宿に引き返し、荷物をまとめてNaulkuftを出発する。出発間際、昨日遅くまで飲んだマルコが見送ってくれた。一応これは”ヘビーローテーション”の振り付けのつもりらしい。” I want you”のところね。

極度に乾燥した場所でかなり動き回ったから疲れていたらしく、 ウィントフックまでの道はほとんど寝ていた。国立公園の中に入る仕組み、行きたい場所、見たい景色もよくわかっていなかったり手際が悪かったけれど、想像を超えた自然の光景に圧倒されっぱなしのナミビアだった。

Written by shunsuke

2011年12月22日 at 1:04 AM

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DAY7: 赤と白と青の不思議な世界

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Bigdaddyを登頂したあとは、250mある砂丘を一気に駆け下りる。250mもあるので砂丘というより砂の山だ。安部公房ではないけれど、この景色の中にいると自分が砂に埋もれて砂と同化していくような気持ちにをかき立てられる。なかなか砂山を降りずにはしゃぐL、とっても楽しそう。

この砂山、降りてみると砂が動く時にまるで猛獣が叫んでいるかのような、風が吹き荒れるような音が聞こえてきてびっくり!強烈な日差しで熱せられた表面の砂が移動して中の冷たい砂と交じり合うときに音が発生していると思うのだけど、とても不思議。とにかくものすごい自然だ。

砂丘を下まで降りると、白い大地に枯れた木が何本も立っている場所に着いた。ここはDeadvleiと呼ばれる場所で、雨が大量に降った時に流れ出た粘土質の土が低地に集まり、それが極度の乾燥条件の下で白く硬く固まっている。そこに何十年、中には数百年前に枯れたアカシアの木が立っているのだけれど、枯れても地面が硬いため倒れず、極度の乾燥条件のため腐ることなく立ち尽くしている。

この光景を見て僕は一枚の写真を思い出した。11年の3月くらいにNational Geographicに出ていた一枚の写真、この絵画のような写真が撮られた場所だ。

朝日が斜面だけに当たる時間に来ればこんな光景が見られるのか。Bigdaddyに登った後で、正午を回りすっかり高くなってしまった状況からは信じられないような光景を思い出し、明日の朝にもう一回来ようかなと思い始めた。とりあえず今日はおなかもぺこぺこなのでSossusvleiを後にして宿に戻る。この赤と白と青の不思議な世界にしばしおさらば。きっと明日また来るよ!

宿に戻る道の途中、ダチョウも現れた。砂漠って砂ばかりで生物もいない印象だったけれど、オリックスやスプリングボックスをはじめ、大きな動物もこの過酷な環境で生きているんだなあ。ドライバー兼ガイドのマイケルによると、肉食獣がいないらしいので草食動物にはこれでも過ごしやすい環境なのかもしれない。

宿に戻ると真っ白なテーブルクロスが敷かれたテーブルにランチが用意されていた。砂丘に半日いて細胞膜の中から水分が失われてしまったようなカラカラの身体にフレッシュジュースとごはんがしみわたる。こういう時、豪華ツアーって楽でいい。

昼ごはんを食べていると、食堂の前にリスのような小動物が現れた。ここで人に慣れているらしく、平気で近づいてくる。ひょこっと立ち上がった時の仕草が愛くるしい。

夕方は別のドライバーに夕日ポイントまで連れて行ってもらい、ゆっくりと過ごす。名前を忘れてしまったのが残念なのだけど、適当だった午前中のマイケルと違い知識も豊富で態度も紳士的、すばらしいガイドだった。

結局この日もほとんど雲を見ることなくサンセットを迎えた。砂漠の砂煙のせいか、丸い太陽の形がくっきりと見えたまま沈んでいく。

夜はツアー参加者の三人でご飯を食べているところに宿で働くドイツ系のナミビア人、マルコも混じり遅くまで盛り上がる。大学を出てから数ヶ月この宿でガイドとして働き、その他の時間は南アフリカでDJをしたりしているマルコ、かなりの日本好きでAKB48の振り付けも知っていたのにはびっくりだった(単なるオタクか?)。そんなマルコと話しながら、明日もう一回Sossusvleiに行くことを決定。今度は寝坊も寄り道もせずにまっすぐDeadvleiに向かい、斜面に朝日が当たる瞬間をこの目で見るぞ。

Written by shunsuke

2011年12月20日 at 11:42 PM

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DAY7: ビッグダディを登頂せよ!

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Naukluftで迎える朝、朝焼けの砂丘を見にいくため5時前に起床する。当初5:15出発と言っていたのに、準備が遅れて5:30出発となった。泊まっているホテルから赤い砂丘、SossuvleiがあるNaukluft国立公園の入り口までは60kmあって、その距離を車で向かう。当初は国立公園の中の赤い砂丘に朝日が当たる瞬間を見たかったのだけど、ドライバーのマイケルの出発が遅れたこともあって国立公園のゲートに到着した頃にはすでに日が昇りきっていた。

後から知ったのだけど、一部の宿泊客以外は国立公園内で寝泊りすることは許されていないらしく、朝日を見たい人は外に泊まり夜明けのゲートオープンに並ぶらしい。それを事前に調べておけばよかった。そう地団駄を踏みながらも公園の中に入ると、鹿に似た動物が走っていくのが視界に入った。たしかオリックスかスプリングボックス。両方とも何度も見かけたのだけど、結局最後までよく違いがわからなかった。

公園の中に入って20分ほど進むとようやく砂丘が見えてきた。赤い、赤いぞ!

チュニジア 、アルジェリアと砂漠は見てきたけど、ここの砂は段違いに赤い。人を魅了する赤だ。そんな砂丘を見ながらまっすぐ進む道に興奮して、逆立ちをしたくなった男二人。なんで逆立ちかは特に意味はないのだけれど、絶景が広がる中、道の真ん中で逆立ちするなんて贅沢じゃない。

さらに10分ほど行くと、今度はひときわきれいな砂丘が現れた。ここソススフレイの中でも一番有名なDune45と名付けられた砂丘。砂の尾根、そして横からの朝日がつくりだす陰陽、他の砂丘と比べてもはっと目を引く美しいさだ。

ここDune45は砂丘のてっぺんまで登っていく人も多い。青空の下赤い砂山を登る人たち。

ここに登ろうぜ!とマイケルに伝えるも、もっと登るにはいい砂丘があるとのことで国立公園の奥まで進んでいく。もうこれ以上車では薦めない場所まで来て、ようやく車を降りた。ソススフレイの一番奥、Big Daddyと呼ばれる砂丘が僕らが目指す場所だ。

ここから見るとすぐそこに砂丘のてっぺんがある気がするのだけど、いざ歩き出してみるとなかなかてっぺんは近づいてこない。歩き始めて20分、ようやく砂山の麓にたどりついた。これは、かなりでかい!これが全部砂でできているなんて信じられないような高さだ。

砂の上を歩くと、一歩一歩砂に足が埋まっていく。それが斜面だったら埋まっていくことに加えて上から砂が落ちてきて、3歩進んでも2歩分ずり落ちていく。それでも砂が硬そうな場所を選んで 一歩一歩足を薦めていく。誰の足跡もない砂の上を歩くのは気持ちがいいけれど、ずぶずぶと砂の中に足が埋まっていくので大変だ。誰かの足跡をたどるより3倍くらいエネルギーがいる。

そんな僕らをあざわらうかのように、砂の上をすいすいとまるで泳ぐように動き回るふんころがし。あまりに軽やかに移動するので、腹いせに砂をかけて落としてやった。大人気ないって?砂の上ではそのくらい体力を消耗していて、余裕がなかったんです。それにしてもこのふんころがしって不思議な生き物だ。砂山以外では姿をあまり見なかったのだけど、砂の上では彼らの姿しか見当たらない。

登り始めて1時間半ようやく頂上が近づいてきた。ここまで標高で180mくらい登ったのだけど、砂はどんどん赤くなり、空はどんどん青くなってきた。マイケルによるとアフリカ大陸土地が作り出している鉄分が多く含まれているので、こんなに赤い色なのだとか。たしかにこのあたりの砂はまるで砂鉄のように黒みを帯びている。

2時間ちょうどでようやく頂上に到着!ビッグダディという名だけあって、周りのどの砂丘と比べても高い!眼下にはこれまで登ってきた僕らの足跡と、その向こうに見えるDead vleiのある白い粘土質の土地が広がっていた。青と赤と白。シンプルがゆえに美しい。

そして後ろを振り返ると、この世のものとは思えない不思議な光景が広がっていた。まるで雪山のような白、どうやってあの白い色は生まれたのだろう。

登頂の喜びを表すべく飛んでみた。この絶景を独り占め、これはかなり気持ちいい!

DAY7 後半へ続く。

Written by shunsuke

2011年12月19日 at 5:55 AM

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DAY6: 大草原の立派なホテル

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ナミビアで迎える最初の朝、首都のウィントフックも他のアフリカの都市同様、高地にあり朝方は息が白くなるほど冷え込んでいた。昨夜は暗くなってから到着したのでよくわからなかったけど、宿を一歩出ると道にはジャカランダが鮮やかな色をつけている。昨年のタンザニアでもきれいだったジャカランダ、ナミビアでも今は春真っ盛りの季節なんだね。

ナミビアでの最大の目的は赤い砂漠を見にいくこと。きっかけは、去年一緒にキリマンジャロに登ったスイス人Markusの一言だった。「今まで見た光景の中で一番fantasticだったとこと言えば、間違いなく僕はナミビアの赤い砂丘を挙げるよ」そんな言葉に乗せられてここまできてしまった僕ら。fantasticな赤い砂丘はここウィントフックから250kmほど南に行ったところのNaulkuft国立公園の中にある。

人口密度2人/km2のナミビアにはほとんど公共交通機関はないので、レンタカーを借りて自分で運転するか、ツアーに申し込むしかない。2泊3日で3,100N$(ナミビアドル、3万円くらい)のキャンプツアーが曜日限定での開催でタイミングが合わなかったので、僕とLは2泊3日で5,500N$(5万円ちょっと)の豪華ツアーしか選択肢がなかった。宿泊した老舗のゲストハウス、Cardboardboxの中にナミブ砂漠へのツアーも取り扱っているオフィスもあって、そこで事前にツアーを申しこんでおいた。

日程が限られているので仕方ない。ナミブ砂漠のキャンプツアーが週に1,2回しか開催されていないので、これに参加することを最優先に日程を組めばよかった。

午後出発のツアーまでの時間、せっかくなのでウィントフックの街を歩いてみる。街は首都だけあってきれいに整備されていて、昼間だったら問題なく歩くことができる。抜けるような青空をバックに白い建物と椰子の木が並び、開放的な気分になる。

こんな街の中心のオフィス街のカフェでランチ。メニューを見ると、チキン、ビーフと見慣れた言葉以外に、オリックスとかスプリングボックスとか何だか野性味にあふれた名前が並んでいる。食に関しては保守的な僕、無難にビーフステーキを頼むと大量のポテトと一緒に固い肉が出てきた。食べるのにも一苦労。

ツアーがスタートする13時ちょっと前に宿に戻り、いよいよ2泊3日の豪華ツアーがスタート。宿で迎えの車を待っていると、10人乗りくらいのマイクロバスがやってきて僕らをピックアップしていった。2泊3日5万円のツアーに参加する客はなかなかいないらしく、メンバーは僕とL、そしてアンゴラで働く日本人の計3名。

人口200万人のナミビア、一歩街を出るとそこはほとんど人の気配がしない世界が待っている。空港までの道は舗装されていたけど、そこを過ぎれば道も砂利道に変わり、道の両側にはどこまでもブッシュが広がっていた。

基本的にバスなどの公共交通機関はほとんどないので、旅行者もレンタカーで旅をする人が多い。そんな人たちのために30kmおきくらいの感覚でキャンプサイトが整備されていた。これにはびっくり。さすが元々ドイツ人が治めていた国だけある。

丘を越え、川を越えて3時間ほど未舗装の道を走ると、あたり一帯を見渡せる丘の上に着いた。これまでは高原地帯だったけど、ここから先は大西洋に向かってずっと平地が続いているらしい。そしてこの先に砂漠が広がっている。

出発してから4時間ほどで、今日と明日2晩泊まる宿にたどりついた。ブッシュと岩山の中にたたずむホテル。自然の中に溶け込んだデザインだ。

原野にあるからと侮ってはならない。冷暖房完備、プールまでついているリゾートホテルだった。車から降りてまず出てきたのはアプリコットのウェルカムドリンク。からからの大地を走ってきた僕たちにはとてもうれしい出迎えだった。

部屋に入ってみると、予想もしなかったふかふかベッドの立派な部屋。さすが3日5万円のツアーだけある。16組客が来ていたのだけど、僕ら以外はすべて白人の年配の方々だった。泊まっている方々の階層がはっきり分かれているのがとっても象徴的。

夕暮れまでの時間、周りをゆっくり散策する。なんとホテルの目の前のブッシュには9ホールのゴルフ場まであった。この遊び心がいいなあ。

夕日を眺めにホテルの前にある丘に向かう。宿の主人に丘の上から夕日が見たいと告げると、宿の犬が僕らを先導してくれた。

大きな岩だらけの丘を10分ほど登り、丘のてっぺんに到着した。てっぺんから見ると見渡す限りの平原、ところどころにポコポコ存在する岩山、そんな不思議な光景が広がっていた。

ゆっくりと沈んでいく夕日を眺める。人がいないってことは、何千年、何万年もまったく変わらない夕暮れの姿なんだよなあ。何万年も繰り返されてきた歴史の中に、自分という存在がいることだけでこの世に生を受けたことをありがたく感じる。こんな手付かずの自然に触れるたびに、僕はいつもそう感じる。生き物としての原点を忘れないように、その感覚を大切にして生きていくために、それが僕が旅をする原点なのかもしれない。夕日を眺めながらそんなことを考えた。

Written by shunsuke

2011年12月14日 at 11:11 PM

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DAY5: ジンバブエからナミビアへ

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ジンバブエ4日目の朝、今日も朝から雲ひとつない天気だ。この日は早く起きて数あるアクティビティのひとつ、マイクロライトに乗ろうと思っていたのだけど、予約のタイミングが合わずに朝方に乗れないことが判明。昼の飛行機までゆっくり過ごすことになった。人々が動き始めた頃に街を歩くと、女性たちが薪を集める姿が目に入ってくる。朝食用かな?アフリカ人のバランス感覚がいいのはわかっているつもりでいたけど、こんなに長い薪ですら頭に乗っけて、手を添えないで運べてしまうのはすごい。

朝ごはんを食べ残り時間を優雅に使うおうと、街一番のホテルVictoria falls hotelにやってきた。シンメトリーに設計された白亜の建物と見事に整備された庭が美しい。イギリスには行ったことがないけど、authenticな建物と庭なんだろうね。

せっかくなので、ガーデンテラスに座ってみる。建物がザンベジ川の峡谷に面して作られていて、庭の目の前にはこんな絶景が広がる。

そんな峡谷を眺めながら紅茶をいただく。街一番のホテルで、こんな絶好のロケーションなのに紅茶はポットで1.5ドルと街中価格。たった1.5ドルでとても優雅な気分になれるなんて幸せだ。

フライトの時間までゆっくりみやげ物を探す。どこのみやげ物屋でも見かけたのが、このカバの置物。石や木を使った愛嬌のあるカバたちがたくさん並んでいた。ザンベジ川クルーズで見かけたカバたち。そんな姿を思い出して会社のデスク用に石と木のカバたちを買ってみた。これまでこういうお土産を買ったことなかったのだけど、このなんともいえないキュートなカバたちに惹かれたんだよね。

お土産屋さんのオーナー店長さんがとってもおしゃれだったので記念に一枚。彼女は、2年前から工房をつくって近所の人たちがデザイン、製作したものを販売しているそう。話は変わるけど、この彼女がしているように髪をストレートにして、赤色をいれている人を街を歩いていて結構見かけた。確かに肌の色とこの赤はよく似合う。

ビクトリアフォールズからいったんヨハネスブルクに戻り、そこから南アフリカ航空でナミビアのウィントフック(Windhoek)に向かう。ビクトリアフォールズとヨハネスブルクの間はブリティッシュエアだった。自国でない地域の間にもこうしてコードシェア便でない便が飛んでいるところがすごい。植民地時代はとっくに終わっているけれど、これって英国人にとっては自国の言葉を話し、自国の航空会社が飛んでいるってことだ。日本人から見れば、今でも台湾と韓国で日本語が共通言語として広く話されていて、台北とソウルの間にJALが飛んでいるようなもの。植民地を持っていたことによる、ソフトな部分の遺産ってこういう時に実感する。

空港と飛行機の中では3日前に同じ便で来た人たちにたくさん会った。ほとんどがリタイア後の老夫婦だったけれど、ビクトリアフォールズで見た虹の美しさやボツワナで見たゾウの群のすごさを少年少女のように目をきらきら輝かせて話していた。みんな、楽しそう。僕もこんな風に年をとりたい、いくつになっても目で見た感動を心で捉えられるよう、それを臆することなく他人に伝えられる、そんな風に年をとりたいな。そう思った。

ヨハネスブルクで乗り換えをし、ウィントフックには夜8時に到着。明日からはナミブ砂漠だ。

Written by shunsuke

2011年12月10日 at 10:24 PM

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DAY4: Somewhere? No, here over the rainbow!!

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ジンバブエ側の公園が開くのが朝6時半、今日はできるだけ早く行って公園の中で朝日と滝を見るのだ。ビクトリアフォールズでは滝から上がる水しぶきによって、太陽を背に向けた時に滝の上に虹がかかる。そして、その日差しは角度が水平に近ければ近いほどきれいに見える(と宿の主人が言っていた)。

そんなこともあって、5時半に目覚ましをセットするも起きたのは6時過ぎ。すぐに滝への道を下っていくと今日も猿たちが迎えてくれた。それにしても猿が多い街だ。いや、もともと猿が多いようなところに人が街をつくって住み始めたのか。

結局滝の入り口には7時過ぎに到着。公園の中で日の出は迎えられなかったけど、まだ日が高くないからきれいに虹が見られるはず・・・ザンビア側と同様にジンバブエ側でも20ドルを払い公園の中に入ると、次第に水が滝つぼに落ちていく音が大きくなってきて、水しぶきが舞い上がる光景が広がった。

滝が見える場所まで公園の遊歩道の上を歩いていく。すると、滝から舞い上がる水しぶきがきれいな虹をつくっていた!これぞ見たかった景色。前日に滝の姿は目にしていたので、それほど大きな期待をせずにこの日見にいったのだけど、目の前にくっきりと虹の姿が広がった瞬間、ゾクゾクっと鳥肌がたった。誰もいない公園の中に滝と虹と僕たちだけ、目をつぶるとオズの魔法使いのSomewhere over the rainbowの曲が流れてくる、そんな感覚。

さらにザンビアとの国境に近い谷のほうに歩いていくと、峡谷の中に二重の虹がかかっていた。こんなにきれいな虹、生まれて初めて見たよ。普通虹って空にかかるものじゃない?その虹の向こうにまた景色が見えるなんて考えたこともしなかった。

昼にビザの関係で一足先にナミビアへと飛び立ったLを送り、午後はゆっくりと過ごす。近くに大きなバオバブの木があると聞き、自転車を借りて行ってみることにする。仕事柄、大きな木といわれると見たくなるんだよね。1km四方ほどのビクトリアフォールズの街は少し行くと何もない。道の両側にブッシュが広がり、そこからゾウが出てきてもおかしくないような雰囲気だ。ゾウくらいならいいけど、ハイエナとかは勘弁してほしい。自転車じゃ分が悪い。

原野の中を走る道を20分ほどこいで、保護区内にあるバオバブの巨木、通称”Bigtree”に到着。樹齢1,000-1,500年、幹回り18m、樹高23mの立派なバオバブだ。よく写真で見るようなマダガスカルにあるような幹がずんぐりむっくりしているバオバブとは少し種類が違うみたい。

ちょうど道の脇に生えているのだけど、この木の根が道を越えて反対側まで延びていて年々道の舗装が盛り上がってきているらしい。1000年を越えてまだ根が元気なのはすごいなあ。そんなBigtreeの前で記念撮影をするジンバブエンガールズ4人組。ジンバブエ第2の街、Burawayoからみんなで車で来たらしい。

ジンバブエンガールズの中でも一番陽気だったお姉ちゃん。Burawayoでは銀行で働いていて、今夜は1泊150ドル以上する街一番のホテル、ビクトリア・フォールズホテルに泊まっているとか。1泊30ドルの僕とは大違い・・・お金はあるところにあるんだね。”ジンバブエには石油もでないし鉱物資源もあまりない。だけど、この自然は我々の誇りなのよ。こうして来られて幸せだわ”最後に彼女が僕に伝えた言葉が心に残った。彼女たちは家が金持ちなのかもしれないけど、外国人だけじゃなくてジンバブエの人たちにとってもここの滝はみんな来てみたい場所なんだろうな。

街の中でしつこかった物売りはもちろんここにもいて、木彫りのカバやジンバブエドルを売りつけようとしてくる。駆け足で木を見て帰っていく観光客が多い中、夕暮れにぼーっと木を眺めている僕には、暇そうな彼らにとって絶好の暇つぶしの相手のようで何かと話しかけてくる。みな人なつっこい。

明日はナミビアに行くので、今日がジンバブエ最後の夕日だ。この三日間雲らしきものを一片も見ることがなかったな。

ジンバブエ最後の夜は昨日のクルーズで仲良くなったJとカフェでゆっくりごはんを食べる予定だったのだけど、カフェで隣に座っていたイタリア人7人組と意気投合。彼らの中にアニメおたくらしき日本好きが2人ほどいて、僕らの知らないアニメの話で盛り上がっていた。

そんな陽気なイタリアンの中でも飛び切りアニメが大好きなChiristian。サルディーニャ島から来た彼はアニメ好きが高じて自分が大好きな言葉を左腕に彫ってしまっていた。笑え、世界も一緒に笑うだろう。泣け、きっと一人ぼっちで泣くだろう。いい言葉だね。ここまでやると脱帽です。

これがどの作品の言葉なのかも、この言葉をタトゥーにする気持ちもわからないけど、日本を好きな人に会うとやっぱりうれしいね。でもChiristian、”これ、どういう意味?”って聞かれたときはびびったぞ。日本語の文字の形や音の響きを気に入ってくれたのはうれしいけど、自分の身体に彫る言葉なんだからせめて言葉の意味くらいは理解してからにしたほうがいいんじゃないか。

明日はジンバブエを離れてナミビア入りです。

Written by shunsuke

2011年12月6日 at 10:59 AM

DAY3: カバとアリゲーターと私

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亜熱帯ながらも、1500mの高原に位置するビクトリアフォールズは朝晩20度以下に気温が下がる。朝8時にゆっくり起き外を歩くと、自然の中につくられた街らしく街のメインストリートの脇でチンパンジー(と思われる哺乳類)がくつろいでいた。襲い掛かるわけでもなく、えさをねだるわけでもなく、互いの存在が目に入っていないかのように地元と人とチンパンジーが暮らしている。人とチンパンジーが共存している街、すごい。

昼に到着するLを空港に迎えに行くまでの時間を利用して、ザンビア側の滝を見に行く。街の中心から谷に向けて20分ほど歩き、ジンバブエ側のイミグレーションを越えると、国境の谷にかかる橋が見えてきた。

この国境の谷にかかる橋、谷底からの高さが150m以上ある。そして、この橋で有名なのは谷底に向けて111mのバンジージャンプができること。僕が通りかかった時も勇敢なインド人青年2名がまさに飛ぶためのレクチャーを受けているところだった。

基本的に高いところが苦手な僕はやるなんてもってのほか。橋の上から谷底を眺めるだけでも足がすくんでしまう。僕の足がすくんでいる間に、二人のインド人青年は寄り添いながら谷底へと旅立っていった。

そしてあっという間に谷底へと消えていった二人。わかりにくいけど川の上に二人が宙に浮いている。

このバンジーの怖さが伝わる画像がないかなーと探してみたら続々と出てきたので貼り付けてみる。いや、これをやる人尊敬します。

そんな勇気ある二人をよそ目に橋を渡り、掘っ立て小屋のようなイミグレを通過してザンビアへと入国する。イミグレを越えてすぐのところにザンビア側の滝への入り口があった。思わず通り過ぎてしまいそうな看板。

(たしか)20USドルを払い、国立公園の中に入る。すると今さっき渡ってきた国境の橋が見えた。みんなあの上からバンジージャンプをしているのか・・・すごい。

さらに前に進むと轟音とともに滝が見えてきた!乾季で水が少ないシーズンとはいえ、すごい迫力。

この滝のスケール感、なかなか伝わりづらいと思うけど、滝のてっぺんにいる人の大きさと比較するとこの巨大な滝と峡谷の深さがわかると思う。

滝のてっぺんを望遠レンズで見ると、こんな感じ。

1時間ほどザンビア側の滝でゆっくりしたあとは、1日遅れで到着するLを迎えに空港へ行き、ザンベジクルーズに参加する。国境を流れるザンベジ川からサンセットを眺めるこのクルーズ、上海でスペイン産の海鮮物の商売をしているEduardoとNatalia、航空会社で働くJなど、オープンなメンバーに恵まれとても居心地がよいクルーズだった。

船の上は軽食とフリードリンクのサービスがあり、船長から周辺の自然ガイドや動物の説明などもばっちり。現地語に悩まなくていいというのが、すごい楽だよね。英語圏からの年配の観光客が 多いのもわかる気がする。ロシア語に苦しんだウズベキスタンの後だからこそ、そんな気持ちを強く感じる。

川の両岸は国立公園になっていて、動物たちがゆっくりと暮らしていた。日なたでうとうとしていたアリゲーター。船長によるとアリゲーターとクロコダイルは生物種として違うもので、これはクロコダイルじゃなくてアリゲーターなんだって。どっちもワニなんだけど、そんな違いがあるなんて知らなかった。

船のマスコット役”King George”。船の上でパフォーマンスをしてくれるのかと思っていたけど、この衣装で客と話しているだけだった。きっとこの滝を”発見”したLivingstoneが来た頃は、現地の人はこんな感じだったんだろうね。こんな人がいればクルーズも雰囲気でるでしょ。

日が沈むちょっと前になると、さかんにカバが水面から顔をのぞかせた。釣りをする時は朝と夕暮れ時がよく釣れるというけれど、カバも朝と夕暮れ時にえさを探すらしい。潜ってえさを探して水面に出てきて鼻からピューッと水しぶきを出す。愛嬌があるなあ。

2時間ちょっとのクルーズは日が沈む頃にお開きになった。雲ひとつない空と水面を真っ赤に染めていく夕日。昨日といい今日といい、思わずぼーっと見とれてしまうなあ。川の両側に人間の気配がしないせいか、この川に浮かんでいる船を除いて数百年前からまったく変わらない景色なんだろうな。それをこうして簡単に体験できてしまうことに感謝だね。

Written by shunsuke

2011年12月4日 at 11:43 PM

カテゴリー: 2011/09 Southern Africa

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遠かった42.195km

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先週のつくばマラソン、結果はネットタイムで5時間24分15秒と散々な結果でした。42.195kmを甘く見ていましたよ。

スタートから折り返し地点までは順調そのもの。1回トイレに行った以外は、当初の予定通り最初の10kmを抑え目に行って、中間地点では4時間30分くらいのペースだった。右ひざがおかしくなり始めたのは25km過ぎ。着地の瞬間に少し痛みが走り、そのあとは次第に鉛をのせたように重くなっていき、30km過ぎにはまともに走れなくなってしまった。

32kmくらいに足をマッサージしてくれる場所があったので、そこで指圧をしてもらい多少楽になったものの、疲れも出てそこからは走っては歩き、歩いては走りの繰り返しでなんとかゴールまでたどりついた。完走と胸を張って言えないけど、それでも4分の1くらいは歩きながらもゴールできた時はうれしさと安堵感がこみあげてきた。

原因は長い距離を走っていなかったことに尽きる。練習で20km、30kmを走るよう距離を延ばしていって、長く走るための筋肉をつけてひざも慣らしていかないといけない。山登りと使う筋肉がかなり違うこともよくわかった。それにしても、35kmを過ぎたあたりからは車道も走らせてもらえず悔しかったな。人によってそれぞれ走る目的はあるけれど、走れないこと遅いことは僕にとって歯がゆかった。

もともと運動不足解消のために走り始めたのだけど、今ではもっと長く、もっと速く走りたいと思うようになってきた。不思議だね。走るのあまり好きじゃなかったのに。今回感じたこの悔しさを忘れないように次はもっと満足できる結果を残したいな。

Written by shunsuke

2011年12月3日 at 9:27 AM

カテゴリー: 自分のこととまわりのこと

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