Archive for 3月 2nd, 2010
DAY7: サバク、アゲイン
なぜか車輪の周りの砂を掘り始めるハトゥワンと地元のおっちゃん。いや、そうじゃないでしょ?それじゃ空回りするだけだよ。砂が柔らかくてしっかりかまないから空回りするわけで枝とか石とか板とかをタイヤの下に敷いて下を固めないと。と言っても聞いてくれない。
掘っても掘って空回りすること20分。これじゃラチがあかないので、僕とYさんで石を集めてきて下に敷く。すると一発で脱出できた。いやあ、おめでとう!と祝福される我々。
って、こんなこと日本じゃみんな知ってると思うんだけど…一応彼、ドライバーのはずなのに、チュニジアの旅行会社大丈夫か?気を取り直してドゥーズに向かうが、この日はすごい風。まるで砂嵐のような天気で空も大変なことになっている。後ほどニュースで聞いたところにはこの砂がギリシャまで飛んで行ったとか。
12時過ぎに無事にドゥーズに到着し、ハトゥワンとお別れ。彼はこの砂嵐の中、来た道をまた戻るらしい。頑張ってね。とは言え、砂漠の夕日と朝日、そして夜の星空を期待して見に行ったのに、結局何も見られなかった我々。悶々としていたら、泊まっていた宿Hotel 20 Marsで35TD(2500円くらい)一泊二日で砂漠の中のテント泊のツアーがあるらしい。
なんじゃその安さ?車をチャーターしたのが馬鹿みたいだ。「ほら、そこにのってるぜ」と宿のオジチャンに言われてWさんからもらった地球の歩き方を見てみると、確かに過去にこのツアーに参加した人の体験談がのっていた。むむ!これは楽しそう。
極めつけは「今日の風は西風、東からの風は三日は続くけど、西風は一日吹けばやむ。夕日は厳しいかもしれないけど、明日の朝日はバッチリだ。保証するぜ」との宿のオヤジの一言。すぐに35TD払い、再び車とラクダで砂漠を目指すことになった。
参加者は旦那が初海外なのに新婚旅行にチュニジアを選んで砂漠に来たという二人組、そしてYさんと僕の日本人四人。「歩き方」効果は偉大だ。まずは車で出発地点まで向かう。毎年サハラフェスティバルの会場となる出発点に着いたら、すでにラクダが待っていた。
早速ラクダに今夜の食料を積み込み、砂漠へ向かう。午前中よりかは多少風は弱まってきたものの、まだかなり風が強い。布を顔中に巻きつけていないと目や鼻、口や耳に砂が入り込んできて大変なことになる。
案内役はトゥアレグ族のモハメド。フランス語を解さないので、ようやく僕のインチキアラビア語の出番だった。
ラクダで歩くこと一時間半尻が痛くなってきた頃、ようやく今日の宿泊場所に到着した。クサール・ギレンと違って本当に砂漠のど真ん中。周りにはこの建物以外何もない。
到着早々、宿で待っていたもう一人のスタッフ、ブバケルが出てきて、熱いミントティーでもてなしてくれた。ミントティーはこれまで何杯も飲んでいたけれど、一時間半ラクダの上にいたあとのミントティーは格別だった。
早速、夕日が迫った砂漠に足を運ぶ。ここの砂はクサール・ギレンの砂と違ってかなり白っぽい。そして一面砂の砂漠というよりも岩砂漠の中に砂丘がある感じで結構草が生えていたりする。それでも砂はきめ細かくて、夕日が当たってきれいだ。
待ちに待った砂漠の夕日。これですよ、これが見たいがためにまた砂漠に来ちゃったんですよ。砂嵐の影響で下のほうが霞んでいる上、砂も赤くないけれどやっぱり格別だ。刻一刻と砂の向こうに沈みゆく夕日を見ているだけでジーンとこみ上げるものがあった。
とりあえず夕日をバックに飛ぶ。
もういっちょ飛ぶYさん。蛙にしか見えない。
電気なんてもちろんないテント。夜はローソクの明かりでクスクスをいただき、ブバケルの叩くベルベルの太鼓を楽しむ。そして外に出てみると一面の星空。ウユニに続きまたもや三脚を持ってきていないので写真がないのが残念だったけど、クスクスもおいしかったし、ブバケルの太鼓も雰囲気があったし、おもてなしの心が伝わってくる一夜だった。
DAY6: 砂漠でフンコロガシとたわむれる
砂漠で曇りってどういうこと?なんて嘆いていたら朝日を見に行った翌朝、雨が降った。砂漠で雨!自分が雨男だとは認識していたけれど、いったいどこまで雨男なんだ。逆に貴重な経験か。
そんな雨の匂いにつられたのかフンコロガシが集まってきた。
僕の靴をえさと思ったのか、やたら靴の上に上りたがるフンコロガシ。愛くるしい動作は見ていて飽きない。
砂が柔らかいのでフンコロガシのような小さな昆虫でもしっかり足跡が残る。
こうしてみると、砂漠の砂は自然の芸術だ。何ひとつ同じ形の砂丘はなく、何ひとつ同じ模様の風紋はない。どれだけ見ていても飽きない。
この後ゆっくり朝ごはんを食べ、9時半にクサール・ギレンを後にしてドゥーズへ向かう。